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テーマ:DVD映画鑑賞(14214)
カテゴリ:特撮映画
『mockbuster(モックバスター)』=模倣映画専門の「アサイラム社」作品。ロバート・ダウニー・Jr.主演の『シャーロック・ホームズ(2009)』への便乗を狙ったわけだ。 ところが、『VS.モンスター』とくるんだから、さすが「アサイラム」と期待しちゃう。 ぼくは基本的にミステリーは趣味じゃない。ミステリーは、現実的にはあり得ないことが起きたと見せかけて、最終的には現実に帰着する。そういった現実ベースではなく、非現実に突き抜けた話が好きだ。 これまでも『シャーロック・ホームズの冒険(1970)』や『ヤング・シャーロック-ピラミッドの謎(1985)』でネッシーが現れたり、ステンドグラスの騎士が動き出したりした。けど、じつは潜水艦だったとか幻覚剤の影響だったとかで、シャーロック・ホームズが非現実の事件に挑むことはなかった。だから、シャーロック・ホームズはぼくの守備範囲からいつもはずれた。 しかし、今回はあの「アサイラム」だから。パッケージを見ても恐竜やドラゴンが描かれているし。ついにシャーロック・ホームズが超現実のモンスターと絡むのかと興奮しちゃった。 まあ、結論からいうと、残念ながら、本物の恐竜やドラゴンではなかった。平たくいえばロボットだね。 ミステリーでは、超常現象は起きない。あたかも死人が幽霊として呪いをかけ、人を殺したと見せかけるが、真犯人はしっかりと生きている人間である。そんなとき、(架空の設定としての)本物の幽霊を出してよ!と言いたくなってしまう。いかに巧妙なトリックだろうと、超常現象が起きない話は好みではない。だから僕はミステリーに向いてない。 『ホームズの冒険』や『ヤング・シャーロック』のネッシーやステンドグラス騎士も、ホームズが推理、捜査の結果、秘密を暴き、真実が解明して、楽しい非現実から退屈な現実の世界に呼び戻されると途端に脱力する。 だが、『VS.モンスター』のロボット恐竜およびドラゴン、さらにはアンドロイドやサイボーグなど、超常現象ではないけど、超現実としての満足感を味わわせてくれるぞ、それなりに。だって、あり得ない話だもん。19世紀に、しかも科学者でも何でもない元警官がそれらをつくちゃうし。 さすが「アサイラム」。 そりゃあ、(映画の世界での)本物のモンスターがホームズと対戦する映画を見てみたいけど、ホームズのキャラクターからすれば、そこまで行っちゃっうことはできない。だから、『VS.モンスター』は、ホームズの限界点までよくやってくれた。 モックバスターは、あざとく行かないとね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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