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テーマ:DVD映画鑑賞(14214)
カテゴリ:特撮映画
『インパクト・ゼロ』というタイトルは、「インパクトなし」と読み取れる。 もちろん、そんなネガティブな意味ではないはず。 『インパクト(2005)』『インパクト2(2006)』という映画がある(らしい。見てない。興味ない)。これはストーリーや登場人物等はまったく関係ないのだが、ただ潜水艦が登場するという理由だけで無理矢理シリーズに仕立て上げられたようだ。その第三弾として、『インパクト・ゼロ』に至ったとのこと。 確かに、『リング0~バースデイ~(2000)』『CUBE ZERO(2004)』はたまた『ウルヴァリン: X-MEN ZERO (2009)』のように、シリーズの時間を遡った映画がある。しかし、もともと『インパクト』はシリーズではないし、『ゼロ』は時代的に昔の話でもない。 それらのヒットしたZERO映画から、タイトルを流用しちゃったということもあるだろうが、ぼくは違うルートを感じる。このタイトルと同時に、映画に登場する潜水艦や海底都市等から、1本の東宝特撮映画の英語タイトル『LATITUDE ZERO』を連想するのだ。その特撮映画とは『緯度0大作戦(1969)』である。ふたつの映画は、潜水艇の乗組員を正体不明の潜水艦が救助したり、海底ユートピアにまつわる話だったりと、やっぱり似ていると感じる。 しかし、『インパクト・ゼロ』は、ジュール・ヴェルヌのSF冒険小説『海底2万マイル』の映画化なのである(原題は”30,000 Leagues Under the Sea”)。 おそらくDVDの発売元に、特撮映画マニアがいて、『緯度0大作戦』と結びつけてタイトルをつけたのではないか。と、推測する。 じつはこの『インパクト・ゼロ』は、あのアサイラム社(The Asylum)の映画なのだ。 アサイラムは、低予算、短期間撮影、他社の話題作等の模倣、便乗を得意としている。それらが、アサイラムのジャンクな味わいとなっていて、後を引いたりする。 『インパクト・ゼロ』も、さすがアサイラムといった展開だった。 注目すべきはクライマックス。 ネモ船長-この映画ではなんと悪の帝王!-が、核ミサイルを発射して地上世界を壊滅させようとしている。 それを阻止しなければならない主人公達なんだが、なぜか潜水艇で、深海に沈んだ米軍潜水艦の救助に向かう。潜水艦の乗組員が助かったとして、その間に世界が消滅したら、どうする? 途中、海草が潜水艇の「プロペラ(映画の中では確かにそう言っているが、スクリューのまちがいだろう)」に巻き付き、動かなくなる。それを女性将校が泳いではがしにいくが、見ているこっちは水圧は大丈夫かと心配になっちゃた。そんなこんなの騒ぎの中でミサイルのカウントダウンが進むが、なんだかスリルとサスペンスに無理を感じるんだなぁ。 という具合に、『インパクト・ゼロ』は、「インパクトなし」ではなく、ある意味強烈な「インパクトあり」の映画でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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