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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:特撮映画
「ウルトラマンをカラーで見よう!」 テレビ番組『ウルトラマン』はもともとカラー作品のはず。 それなのに、「カラーで見よう」とはいかに。 これは特典映像の予告編に入っていたコピーだ。 カラーテレビがなかったのはうちだけかと思っていた。しかし、このコピーを見ると、まだまだ日本の家庭にカラーテレビはなかった、そんな時代だったのだ。 現在に置き換えてみると、「3D」かな。あと何十年かたってから、今現在の予告編を見たときに、「あの時代はまだ家庭に3Dモニターが行き渡っておらず、3Dが映画の売りになっていたんだ」と振り返るようなことがあるかもしれない。 『長編怪獣映画ウルトラマン』は、『キング・コングの逆襲(1967)』との二本立てで夏休みに公開された。 前年の夏休みは『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966)』とマンガ映画(当時はアニメという言葉はなかった)の『ジャングル大帝(1966)』だった。 映画会社としては、子供が好きなのは怪獣とマンガだ、その組み合わせなら客が呼べると判断したのかもしれない。しかし、特撮を渇望する子供にとっては、マンガ映画なんてまさに添え物にすぎなかった。 天下の特撮東宝がマンガ映画を出してきてはいけない。 その点、1967年の夏休み怪獣映画二本立ては、まさに我が意を得たりというところだった。 『ジャングル大帝』も『長編怪獣映画ウルトラマン』も、テレビ番組の再編集版である。いってみれば二次利用だ。『ジャングル大帝』は「もうテレビで見たよ」という印象だったが、特撮ファンにとっては、ウルトラマンと怪獣の対決をまた見られるなんて、願ったり叶ったりだった。 アニメはまさに絵空事。しかし、特撮は日常的な現実場面に、巨大怪獣などの非現実が侵入してくる映像がいい。 『長編怪獣映画ウルトラマン』には、ベムラー、レッド・キング、ゴモラなどのスター怪獣が登場する。それらとウルトラマンの名勝負は、テレビで見たあと何回も脳内リプレイしていた。 ところが「ウルトラ作戦第1号」の回に相当するエピソードでは、ベムラーは顔を見せるのだが、ウルトラマンが登場しない。 今見るととっても不自然なのだが、当時はそんなこと感じなかったようだ。 もう一度ウルトラマンや怪獣を見ることができるのがただひたすら嬉しくて、むしろ出し惜しみしたウルトラマンがようやく姿を現したときに拍手喝采を送ったのだ。 「ウルトラマンをカラーで見よう!」の時代は、なんでもありがたかったのだ。今は失われた感覚だね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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