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August 29, 2015
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カテゴリ:特撮映画

 今年の夏は、「我が思い出の夏休み特撮映画大会」ということで、夏休みの特撮映画体験を振り返って、ひとり特集上映会を開催した。

 ラインナップは
『宇宙大怪獣ドゴラ(1964)』
『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)(1965)』
『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ(1966)』
『キングコングの逆襲(1967)』
『怪獣総進撃(1968)』
『海底軍艦・短縮版(1968)』
『緯度0大作戦(1969)』
『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣(1970)』
『ゴジラ対ヘドラ(1971)』
『ガメラ対深海怪獣ジグラ(1971)』

 この翌年(1972)の東宝特撮は、東宝チャンピオンまつりとして、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』の短縮再編集版が上映された。そして、それ以降夏休みに新作特撮・怪獣映画の公開はない。

 このほかにも、今回のラインナップには加えなかったが、1966年には東映で『大忍術映画ワタリ』とアニメ映画『サイボーグ009』を見た。
 また、あのレイ・ハリーハウゼンの『アルゴ探検隊の大冒険(1963)』を見てダイナメーションに衝撃を受けたのもこの年だった。
 さらに、その夏休みはイギリス・ハマープロダクションの『フランケンシュタインの怒り(1964)』『吸血狼男(1960)』も上映されたのだった。
 今回は『フランケンシュタインの怒り』も、ひとり上映会の1本に加えた。
 なお、1967年の併映映画は『長編怪獣映画ウルトラマン』だった。これも見直したい一本だったが、残念ながらそこまで力が及ばなかった。

 さて、ここでは、『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』についてふれたいと思う。
 『決戦!南海の大怪獣』は、円谷英二がかかわった最後の特撮怪獣映画である。この映画が公開される年の1月に円谷英二は亡くなっている。しかし、映画が準備されている段階では、特撮監修という立場にあったのだった。

 東宝特撮の代名詞的存在であった円谷英二、彼がこの世を去ったこの時期に、映画は斜陽化が進み、東宝特撮映画も予算が激減していったらしい。

 『決戦!南海の大怪獣』の監督は、本多猪四郎だ。本多監督は、円谷英二とともにツートップとして東宝特撮・怪獣映画を大隆盛に導いた。彼にとって、『決戦!南海の大怪獣』は、生涯最後に監督した映画のその前の1本である。ちなみに最後の映画は『メカゴジラの逆襲(1975)』だ。

 さらに、この時期東宝特撮が翳りゆく様子は、出演者にも見ることができる。
 『決戦!南海の大怪獣』には、久保明、小林夕岐子、佐原健二、土屋嘉男、中村哲、藤木悠といった、東宝特撮の全盛期を飾ってきた俳優、御馴染みの顔ぶれが出演している。その点では、これまで慣れ親しんだ東宝特撮を見る安心感があったわけだが、この翌年の『ゴジラ対ヘドラ』からはこれらの役者さんをぷっつり見なくなってしまった。

 諸行無常。あらゆるものは生じ、そして滅する。

 こうした東宝特撮の一時代の終わりを象徴するような映画『決戦!南海の大怪獣』は、ゴジラを始めとした東宝スター怪獣が登場するのではなく、ゲゾラ、ガニメ、カメーバという新怪獣だったのは一興だ。
 内容も、怪獣が都市を破壊するものではない。島で、人間が知恵を使って怪獣を退治するお話だからね。

 思えば、当方にとっては、とてもいい時代に少年期を送ったと振り返ることができる。多感なその時期に、充実した東宝特撮映画をリアルタイムで体験することができたわけだから。

 そうやって子供の頃に映画が一番楽しいと実感しちゃったから、夏の休みには海外にも温泉にも行かず、ひとり特集上映会に浸っているという次第なのだよ。

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Last updated  August 29, 2015 08:58:17 PM
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