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テーマ:DVD映画鑑賞(14213)
カテゴリ:特撮映画
【税込み】【3500円以上で送料無料】【レンタル落ち中古DVD】JAWS ATTACK ジョーズ・アタック 2 /マイケル・ソプキウ 【吹き替え・字幕】【中古】 『ジョーズ・アタック2』、VHSテープで出たときのの題名は『死神ジョーズ・戦慄の血しぶき』そしてオリジナルのタイトルは『MONSTER SHARK』。 この映画は、「シャークトパス」の元ネタとして知られている。といっても、世間的に広く知られているような事柄ではない。 世間には、それがわかったからには、この映画を見ずにはいられない者もいる。 当方は、元来が、原作やノベライズと映画、テレビ版と劇場版、アニメ版と実写版、オリジナル版とリメイク版など、一つの映画にかかわって複数の作品があるときには、その相違点を確かめずにはいられない性分である。 今回の『ジョーズ・アタック2』と『シャークトパス』は、オリジナル版とリメイク版の関係だ。 ストーリーや設定などが、どんなふうに同じか、あるいはちがうか。確かめずにはいられない。 ことに、両者に共通しているのは、サメの頭部にタコの触手をもった合成怪物[shark+(octo)pus=シャークトパス!]が登場するところである。 この合成怪物、オリジナル版とリメイク版とでは、造形、映像化などの点でどうなのだろうか、興趣が尽きない。 まず、リメイク版のタコサメ合成怪物シャークトパスだ。こちらは、CG(コンピュータ・グラフィックス)で映像化されている。 凶暴無比のサメが触腕をもっていて、それでもって人間や敵モンスターに絡みつき、そして鋭い歯で食らいつく。 あるいは、半サメ=半魚類ながら、シャークトパスは触手で陸上を闊歩し、獲物を襲う。 しかし、CGの技術が発達してきて、映画の中で効果的に使われるのは1990年代である。 では、1980年代前半につくられた『ジョーズ・アタック2』では、サメタコ・モンスターをどのように映像化したのだろうか。 サメだけならまだしも、タコ足がくっついているのだ。サメが8本の触手をもっているのだから(足?触手?触腕?)、その複雑な動きを、CG以前の「特撮」でどのように映像化したのだろうか。 考えられたのは、まずストップモーション・アニメーションである。 例えば『水爆と深海の怪物(1955)』は、大ダコが登場する。 この大ダコは、特撮技術の魔術師レイ・ハリーハウゼンが、タコの模型を1コマずつ動かして撮影した。しかし、この大ダコは、足が6本しかなかった。手間を省いたわけだが、それだけモデル・アニメーションは、作るのが大変だということだ。 次に、日本の特撮の伝統芸、着ぐるみがある。 『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣(1970)』のカミナリイカの怪獣ゲゾラは、着ぐるみ特撮である。 ゲゾラの着ぐるみは、下半身(?)に足がたくさんあるのだが、着ぐるみ役者の脚を取り囲むようにしてある。幾多の足で地上を歩き回るが、ときどき着ぐるみ役者が歩行する脚が見える。そして、触手で人間(人形で吹き替え)を絡め取る。その触手は、操演(ワイヤーでひっぱって動かしている)なのだ。 ストップモーション・アニメーションなのか、着ぐるみなのか、操演なのか、事前にいろいろと可能性推測して、そして本編をみた。 そうしたところ、くだんのサメタコ・モンスターがなかなか姿を現さない。 90分の上映時間で、映画が始まってから20分後にようやくちらっと出現した。 その後、正体不明だったサメタコ・モンスターの存在が明らかになることはなる。そこからは、サメタコ・モンスターが大暴れをするのではないかと期待したが、出番が少ない。 じゃあ、サメタコ・モンスターが登場しないで、90分の上映時間で何をやっていたのか。 例えば殺し屋が出てきて、暗躍する。 この殺し屋が、ストーリーにどう絡んでいるのかがよく分からない。 そのうちタネ明かしがあるだろうと見ているわけだが、ずるずる、もたもたと映画は進んでいく。 その展開の中で、肝心かなめのサメタコ・モンスターはなんか隅に追いやられてしまっている感じ。 サメタコ・モンスターが見たいのに。 そうこうするうちに、ラストまで、サメタコ・モンスターは、全身を露わにすることがなかった。 海面から触手が出てきて、人を襲ったりする。 サメとは思えないような、いかつい形相の頭部も見ることができる。 これらは操演だね。 触手の動きは、意外となめらかだった。 しかし、それらが、触手は触手、いかつい頭部はいかつい頭部で、別個に画面に登場するのだ。 もしかしたら、サメ怪物とタコ怪物の二頭がいるかと勘違いしながら見た人もいるんじゃないか。 なんにしても、CGのシャークトパスのように、サメ頭のタコ状態で暴れる場面はない。 ここにリメイク版シャークトパスの存在理由があるのだ。 『ジョーズ・アタック2』(あるいは『死神ジョーズ・戦慄の血しぶき』、オリジナルのタイトルは『MONSTER SHARK』)のサメタコ・モンスターは、早すぎた怪物だった。 この当時、サメパーツとタコパーツが分離させてしか映像化できなかったものが、CGによってシャークトパスどして合体し、ようやく本領を発揮できるようになったという寸法だ。 特撮は、創意工夫の技術である。特撮の時代であっても、その気になればCGのシャークトパスに負けないサメタコ・モンスターはできたと思う。 特撮びいきとしては、ストップモーション・アニメーションや着ぐるみ、操演で迫力あるサメタコ・モンスターの全身像、勇姿が見たかった。 しかし、それほど手間暇と金をかける内容じゃあないからね。 本当は、オリジナル版の方でも、触腕で獲物に絡みつき、サメの鋭い歯で食らいつく迫力あるモンスターを、1シーン・1カットで撮りたかっただろう。CG時代になって、ようやくそれがかなったというわけなのだ。 だから、シャークトパスは、『ジョーズ・アタック2』(あるいは『死神ジョーズ・戦慄の血しぶき』、オリジナルのタイトルは『MONSTER SHARK』)のリベンジだったのだ。 『ジョーズ・アタック2』(あるいは『死神ジョーズ・戦慄の血しぶき』、オリジナルのタイトルは『MONSTER SHARK』)は、中身的には期待はずれだったが、『シャークトパス』の原型をとくと見たぞ。 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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