|
テーマ:DVD映画鑑賞(14213)
カテゴリ:特撮映画
SFフランケンシュタインの逆襲 FRANKENSTEIN MEETS THE SPACE MONSTER[DVD] フランケンシュタイン [ ボリス・カーロフ ] フランケンシュタイン対地底怪獣【Blu-ray】 [ 高島忠夫 ] 洋の東西、体つきの大小を問わず、モンスターに魅入られてきた。 とりわけ、フランケンシュタインを偏愛してきた。 あのフランケンシュタイン博士は、そのマニアックぶりに甚だしい憧憬を感じる。 しかしながら、フランケンシュタインへの偏愛は、元祖マッド・ドクターのF博士より、Fのモンスターに対する心持ちのほうがまずもって深いところにある。 ドラキュラや狼男などの呪術的なモンスターより、死体をつなぎ合わせた人造人間というシュチュエーションが、おどろおどろしさ倍増の味わいである。 はたまた、ただ単にFの怪物を偏愛しているのではない。 ユニバーサル・ホラーの、本家ボリス・カーロフ・タイプの怪物は、じつに見飽きることがない。 一般的にFの怪物といえば、額がせり出したあの顔を思い出すだろう。ロン・チェイニー・ジュニア、ベラ・ルゴシ、グレン・ストレンジと演じる役者は変わっても、ボリス・カーロフ・タイプの怪物メーキャップはそれぞれに見どころがある。 しかし、クリストファー・リーやロバート・デ・ニーロらが演じた怪物のメーキャップは、恐ろしげな顔立ちだが額がせり出したあのモンスターの顔ではない。そうなると、残念ながらFの怪物とは感じられない。だから、それらがフランケンシュタインの映画といっても、餡の入っていないあんパンみたいなものである。 という具合に、Fの怪物についてなど、ゼータクを言うようになったのは大人になってからのこと。 小・中学生のときには、フランケンシュタインと聞けばとにかく見ようとしたものだ。 一度、新聞のテレビ欄をチェックしていて、深夜映画枠に『フランケンシュタイン』の文字を見つけ、夜中にこっそり見ていてことがある。そうしたら父親に見つかってしまった。前半部分でテレビを消されて、布団に入って泣いた。 あのときの映画は『怪人フランケンシュタイン/生きかえった死体(1957)』である。怪物は、格調高いボリス・カーロフ・タイプではなく、右目の眼球が飛び出し顔面ぐちゃぐちゃのグロテスクな面相をしている。 さてさて、今回の『SFフランケンシュタインの逆襲』も、Fの怪物はボリス・カーロフ・タイプではない。 だが、この映画のFの怪物は、宇宙怪獣と闘うという魅力的な展開で、ずっと見たかったものだ。 おりしも宇宙ロケットの打ち上げを前にして、飛行士であるサンダース大佐の記者会見が行われていた。 記者からの質問に答えるサンダース大佐だったが、突然、笑ったままの表情で何も話さなくなってしまう。すべての動きが止まってしまったのだ。 あわててスタッフがサンダース大佐を連れ出した。 手術室でサンダースの頭髪部分をベリっと剥がすと、なんと脳の中に真空管⁉︎やトランジスタ⁉︎のような部品が埋め込まれているのが見える。 じつは、フランク・サンダース大佐は、宇宙開発を任務とする人造人間だったのだ。 (サンダース大佐は、この映画の紹介文によって、ロボットともサイボーグとも書かれている。だからここでは「人造人間」ということにする) 「いやー、湿気がまだこんなに影響(してフリーズ)するとはな」などと製作者のスティール教授は宣うが、そんなことで動作停止状態になってしまう人造人間って、宇宙に行って大丈夫か? 何しろ真空管やトランジスタの時代だからね。教授は、真空管をいじって接触不良を改善していた。まあ、昔の真空管テレビは、映りが悪いときに叩くと直ったからな。 ともあれ、この記者会見で、サンダースが人間ではないと示されたのだった。 そんなこんながあっても、サンダース大佐はロケットに乗り込み宇宙に向かって打ち上げられる。 ところが、秘密裏に地球に攻め入ろうとしていた火星人が、自分達の存在を気づかれてはならないと、サンダース大佐のロケットを撃ち落としてしまう。 さらに、追撃してきた火星人の熱線銃を浴びて、あわれサンダースの顔面左半分が焼けただれてしまうのだった。 もともとが人造人間のサンダース大佐、そして、もともとは離れ目系の顔立ちだったのだが、激闘によって醜く変貌してしまった。つまり、ここにきてフランケンシュタインの怪物が出来上がったというわけだ。 サンダース大佐の名前が「フランク」であるところも、フランケンシュタインの怪物とつなげたかったのだ。 紆余曲折があって、フランケン=サンダースは、火星人の宇宙船に拉致されていた若い女性たちを救い出す。 なんで女性たちが拉致されていたか、興味があれば映画を見てほしいが、そんな人はいないだろう。 ついに火星人は、宇宙怪獣ムルをフランケン=サンダースに向けて放つ。 いよいよ、この映画のメインイベント、ムル対フランケンシュタインの怪物の対決が始まった、と思ったが、直接対決は正味1〜2分という短期決戦、さらに煙が立ち込めてよく見えないのだったぁ。 この映画は、1965年公開。 同じ年、我が東宝特撮は、名作『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』を公開している。こっちは、フランケンシュタインとバラゴンがたっぷり名勝負を展開する。カラーだし(『SFフランケンシュタインの逆襲』はモノクロ)、ボリス・カーロフ・タイプだし。
人気ブログランキング クリックよろしくお願いします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[特撮映画] カテゴリの最新記事
|