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June 1, 2024
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カテゴリ:サスペンス映画


女神の見えざる手【Blu-ray】 [ ジェシカ・チャステイン ]

主人公エリザベスは、はなはだとっつきにくい人柄だが、有能なロビイストである。

けど、ロビイストってなんだ?

ロビー活動、は聞いたことがある。
ロビーには「議院内の控室」という意味がある。
つまり、人々が「議院内の控室」に行って、議員(政治家)に対して陳情や働きかけをすることなのだ。ロビー活動というものは。
そうした陳情などを行う人のことをロビイストという。


しかし、エリザベスの場合は、プロのロビイスト、なのである。
大手ロビー会社(そんなものがあるんだ)のやり手ロビイストとして華々しく活躍するエリザベス。
目的を達するためには、手段を選ばないところがある。
そんな彼女を見込んで、有力な銃擁護派団体から仕事の依頼が来る。
銃規制の強化を支持する多くの女性を、イメージ操作することで支持派に変えさせてほしいというのだ。
しかし、銃規制強化派のエリザベスは自分の考えを曲げることをせず、会社を辞める。
そして、銃規制強化を支持する側の小会社に移籍する。
その後、銃規制強化に向かってあの手この手で驀進していたエリザベスであったが、やがて様々な障壁が立ち塞がってくる。
エリザベスの同僚エズメは、かつて銃被害を体験したことがわかる。
エリザベスは、気の進まぬエズメを前面に押し出し、活動を進める。
しかし、そのエズメが、銃規制反対派の男から襲撃を受けてしまう。
間一髪エズメを救ったのは、銃を所持する一般市民による発砲であった。
なんたる皮肉。
この事件は、アメリカ社会における銃の必要性を実証する事例になってしまう。
こんな事態を、逆転させられるのか?
さらに、銃規制強化を反故にするために、擁護派は、エリザベスの手口の違法性を問い、精神面やスキャンダラスな素行まで持ち出す・・・・。


エリザベスは、信念を曲げない。
銃規制強化はいいだろう。
しかし、彼女は、頑なな性格なだけなのではないか?
単なる自己有能感追求の鬼なのではないか?
そんなエリザベスは、ワーカホリック状態であり、仕事面でもプライベートな面でも、事務的、機械的、合理的で、人間味や温かみが感じられない。
「敵の不意を突くこと。突かれてはいけない」なんて言われると、引いてしまう。
そのため、見ていてエリザベスに感情移入することが難しかった。
「勝者は相手の一歩先を読んで、相手が切り札を出したあとから自分の切り札を切る」というエリザベスの決めゼリフも、最初は作為的で冷たく響いた。


ところが、その印象が激変する・・・。
やがて、悪の本性ならぬ、エリザベスの本質が見えてくるのだった。
銃規制がらみの展開もさることながら、エリザベスが興味深い。
 
もうひとつ、人を信用しないエリザベスだったが、窮地に陥る寸前で思わぬ温情に救われる。
それはエリザベスにとっても、まったく想定外の、信じられないできごとだったのではないか。
おそらく、そこでエリザベスは、人間に対する見方が変わっただろう。

仕事もプライベートも事務的、機械的、合理的。
他者の目には、そんなふうに映るエリザベス。
彼女の見え方に、大どんでん返しが起こる。


エリザベスを演じたのは、ジェシカ・チャスティン。
フィルモグラフィを調べてみると、『X-MEN:ダーク・フェニックス(2019)』『​
“それ”が見えたら、終わり。(2019)』など、見ているはずだが・・・。
 
名探偵ポワロ「オリエント急行の殺人」(2010)の“家庭教師”メアリー・デベナム役は、エリザベスとは全然印象が違った。
 





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Last updated  June 1, 2024 08:25:33 AM
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