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カテゴリ:本
いつの時代になっても,タイムトラベルものは,小説,映画,TVドラマなど,人を惹きつけて止まないジャンルです 映画で有名なものだと「Back to the Future」とか でも,やはりタイムトラベルものの醍醐味を味わうにはやっぱり「小説」に勝るものはありません そんな小説の中でも私の記憶から傑作と思える3作をちょっと取り上げてみます まず,1作目 これは,読んでいない人は不幸だとも言える,日本のタイムトラベルものの金字塔 広瀬正 著 「マイナス・ゼロ」 昭和20年、京橋に住んでいる浜田俊夫は空襲警報に驚き、暗い中を防空壕に走る。 昭和初期のノスタルジー,過去,現在,未来が絡み合い,タイムパラドクスねたを含みながら最後にあっという形に収束していく,驚かずにはいられない傑作中の傑作。 1965年に連載が書かれ,1970年に刊行。しかし,2008年7月25日の集英社文庫改定新版発売まで絶品による品切れ状態が続き,長らく復刊が待たれた作品でもある。2008年本屋大賞の5周年記念特別企画「この文庫を復刊せよ!」では,入手困難となっていた文庫本を対象に復刊希望を募り,本作が最も多くの票を得たという経緯も。 この天才,広瀬正は残念なことに1972年に心臓発作により47歳で急逝しています。
2番目に取り上げるのは, 佐藤正午 著 「Y」 ある晩かかってきた一本の奇妙な電話。北川健と名乗るその男は,かつて私の親友だったというが,私には全く覚えがなかった。それから数日後,その男の秘書を通じて,貸金庫に預けられていたフロッピーディスクと500万円の現金を受け取ることになった私は,フロッピーディスクに入っていた,その奇妙な物語を読むうちにやがて彼の「人生」に引き込まれていってしまう。時間を超えた究極のラブ・ストーリー この裏表紙的な解説ではいまいちピンときませんね。本文から一部抜粋します。 「18年前のあの晩,妻の両親は事故を起こした電車のいちばん前の車両に乗っていた。電車は三両目までが脱線したのだが,死者は全員が脱線転覆した一両目の乗客で,死因はほとんどが煙にまかれての焼死だった。」 「駅に近づきブレーキの作動した電車が大きく左右に揺れて軋んだ。 最後の3冊めは 乾くるみ 著 「リピート」 もし,現在の記憶を持ったまま十か月前の自分に戻れるとしたら?この夢のような「リピート」に誘われ,疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人,また一人と不審な死を遂げて・・・・・ ふつうのタイムトラベルなら,戻った先にはもうひとりの自分が存在するはずだが,この小説では自分自身の中に入るので,すでに経験した九か月半が「リピート」される感覚になる しかもリピートは10月30日から1月13日へ戻ると決められている。これを何度も繰り返すと,この世界と言っても「リピート」を繰り返す,毎回10人限定のゲストの間では通じない。そこで,自分にとって今は何回目のリピートであるのかをR9(9回目の繰り返し)などと区別する必要も生じてくる・・・・ 「イニシエーション・ラブ」を書いた乾くるみが「リプレイ」+「そして誰もいなくなった」に挑んだ仰天の傑作
あぁ~傑作といわれる本にのめり込む興奮は,決して映画では得られない,脳内サーキットのスパークですねぇ この3作を知っている人で,「これも絶対読んで!」というのがあったら是非教えて下さいね
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Last updated
2009.11.09 02:21:52
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