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テーマ:サッカーあれこれ(20135)
カテゴリ:Sports Business
東京ダービーが来る度に、スポーツのローカリズムというものを考えさせられる。
プロスポーツの規模というのは、多少乱暴に当てはめてしまうと、多くがローカリズム、ナショナリズム、グローバリズムの3つに集約できる。ローカリズムは地域の威信をかけた争い。ナショナリズムは代表や民族を始めとする単位の威信をかけた争い。グローバリズムはそういうものを取っ払った最高レベルを追求する争い。ローカリズムとグローバリズムは1つの軸に見える。 サッカーにおいてはここ10年、一部の国においてグローバリズムが急速に進んでいる。日本人は争いを進んで好む民族でもないので(多分)、元々そういうものに興味を持ちやすいらしく、グローバルな楽しみ方がかなり主流を占めるようになってきた。ある意味最も平和的な楽しみ方といえばそうだ。02年のW杯で多くの人が日本以外の国のユニフォームを着てサッカーを楽しんでいたのは、ナショナリズムを持ちながらもグローバリズムを重んじている風潮だったと思う(おそらく他国民には理解できない感覚だ)。欧州のクラブは日本人のそういう気質を感じ始め、日本にお金を稼ぎに来るようになった。 しかし、最近このグローバリズムが自分の中ですごく冷めているのを感じる。なぜならその感情は希薄であり、所詮は「人事」だからだ。頑張って欲しいクラブや選手が活躍しなくても、極論そこでその対象を入れ替えてしまえばいい。「シェフチェンコが好きだ」と言っていたのが翌年には「やっぱアドリアーノだよ」と言うのは結構簡単だったりする。グローバリズムは平和的である一方で非常に希薄なものだったりする。そういった者達に目を向け始めているクラブがいくつか出てきているが、それは「濃密な」ファンをおろそかにすることでもあり、長期的にはいいことだと思えない。彼らのLTV(Life Time Value。生涯価値という所謂「生涯に落としてくれる金額」)は不安定すぎて計測不能だからである。すぐそこにいる濃密なファンなら10年20年の計算ができるにもかかわらず。 3日前ササのゴールで勝った東京ダービーで、友人と「ダービーの楽しさを知らない奴は負け組だ」と調子に乗って話していた。調子には乗っているが、これは後から考えてみると「ローカリズムの極み」であり、現代スポーツにおいて最も大事なものなのではないかと思う。 世界の主要リーグで観客が減っているという。強すぎるクラブがあるというのもあるだろうが、1チームが独走するリーグなんてこれまでにいくらでもあった。私はその裏の、グローバリズムの希薄性がもたらしているのが本質にあると思う。 なぜ、世界中で知られている強いユベントスの試合に2万人しか入らずに、同じホームで知名度も低い、しかもセリエAにすらいないトリノの試合に4万人も集まるのか。 なぜ、J2にも関わらず九州ダービーだからって博多の森に2万人も集まるのか。 なぜ、オールドファーム一つで国中大騒ぎになるのか。 なぜ、東京ダービーに人生全てをかけたかのような必死の形相でサポーターが集まるのか(灰皿は別だが)。 エル・クラシコが最高レベルだから盛り上がるとか考えていないか。 ローカリズムの持つ魅力は、スポーツの競技レベルとはまた違う。だからこそ川淵氏は「地域密着」を謳い、そのローカリズムが少しずつJリーグに根付いてきた。これ以上発展するかは別として、当面潰れることはなさそうである。 一方で多くのクラブが借金して観客も減らしているイタリアだったりイングランドだったり、観客をローカリズムを軽視しているリーグは苦しみ始めている。数年後、もっとひどい危機が訪れると思う。 人がなぜ集まるのか、世界にもう一度考えなおしてみて欲しい。最高レベルのチームを作ることだけで人が集まるのなら、5年先どころか1年先も計算できない。もちろんローカリズムだけでも人は簡単には集まらないだろうが、多くのクラブにとって長期的戦略を考えるのにすごく大切なことだと思う。 P.S 日本のプロ野球は地域密着に向かう可能性を持っているが、上のことを考えるとやはりチーム数が少なすぎると思う。一つの都市に2つのチームがあってもいい(東京は既にあるにはあるが…)。巨人-阪神戦だけでなく、もっと威信をかけた血汗握るような「ダービー」というローカリズムが存在してもいいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.10.25 11:32:12
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