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Atletico Tokyo~アトレチコ東京~

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2006.02.16
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カテゴリ:Sports Business


今季始まったプロバスケのbjリーグは、「戦力均衡」を掲げてサラリーキャップや収入の再分配システムを採用した。しかし1年目の半分を終わって各チームの成績を比べてみると、下の通りである。

順位表




ちなみに、観客動員も順位と似たような順位である、というのは以前も書いた通りである。

というわけで、かなりの格差ができてしまっている。プレーオフ制であることを考えれば、残念ながら少々リーグが盛り上がりにくくなっている。では、どうして「戦力均衡システム」は機能しなかったのか。これは単純に「各クラブのチーム作りのクオリティの差」であろう。練習環境、監督、コーチの技量、そして選手の素質である。



しかし、これは致し方ない面が大きいと思う。そもそも、新しく出来たリーグにおいて、どのような戦い方が最も有効か、どんなチーム作りが求められるのか、これは日本では未知なる領域なのだから、全体の大まかなノウハウというのは存在しないに等しい。選手だってドラフト1位だから活躍するとは限らない。どれを取ってみても、実際にやってみなければわからない不確定要素が多すぎる。当たり外れが激しくなるのは当たり前である。元々JBLで戦っていた新潟が首位争いをしている、これは妥当な展開だと言える。



ただ、私が問題だと思うのは、戦力均衡システムがプラスに働いていないだけでなく、時には逆に戦力格差を広げる方向に働いていることにある。例えば最下位の埼玉は、低迷の理由として頼みの外国人選手が怪我をして日本人主体で戦わざるを得なくなったことがある。このような下位に沈んでいる、軸の選手が怪我をするなど、チームにトラブルが起こっている時に新選手を補強しようとしても、サラリーキャップシステムがあるので選手が獲れないのが現状だったりする。チームに金がない可能性もあるが、あるとしても年俸総額の上限を抑えられているために選手を獲得できない。結果、成績格差は更に広がるし、経営面にも悪影響でしかない。上の順位表の背景にはこうした事情も1枚噛んでいるのである。


大体、理想のチーム作りというのは「いかに効率的に選手を雇い、上手く育て、自分のクラブで活躍させるか」だったりする。未熟なリーグでは、真にノウハウがあるクラブはそこまでお金をかけず上位に進出し、ノウハウのないクラブはお金をかけても下位に低迷している可能性だってないとは言い切れない。というより、現在のbjリーグは、どちらかといえばこちらに近い現象に陥っている気がする。


ちなみに先の埼玉は、怪我の選手を契約解除して金を浮かし、そこに現監督CJを選手登録して乗り切りを図っている。復帰第1戦を観戦してCJの活躍がなかなかに面白かったのだが、このような乗り切り方しかできないのは、世間的には面白くてもリーグとして笑っていてはいけない。




以上のことをまとめると、次のことが見えてくる。
・戦力均衡システムは、全てのクラブがチーム作りのノウハウをある程度持っていて、それが出来て初めて成り立つシステムである。
・戦力均衡システムは、時には下位クラブの首を絞めるシステムにもなり得る。




更に、この1つ目の項目については、言葉を「チーム作り」から「クラブの経営」に変えても全く同じことが言えるだろう。それぞれのクラブがノウハウを高いレベルに保って経営努力を最大限に行った先に、米国式の「収入分配システム」は存在しているはずなのである(少なくとも米国はそうである)。プロ野球で11球団全てが営業努力を最大限にしていると言いがたい現状にもかかわらず、「巨人戦の放映権を分配しろ」という意見は、(手段はどうであれ)過去努力して獲得してきた巨人独自の収入構造を、戦力が開くからという理由のみで何もしないチームに分配しろと言っているわけだから、これは先の考えからするとおかしい。もし分配論を掲げるのであれば、その前に各チームに対して収入の最大努力を訴えるべきではないだろうか(まぁ、今はそっちに動いていると信じたい)。



というわけで、bjリーグをここまで見てきて思ったことは、「新リーグにおいては最初から戦力均衡システムは置くべきでないのではないか」ということである。例えば5年後にシステムを導入する前提で、「それまでは各自最大限の営業努力、チーム作りの努力をしてください」と言ってやらせるのもアリではないかと思う。これは格差の広がりに繋がるかもしれないが、どうせ機能していないどころかマイナスに繋がるのであれば、それくらい自由にやらせてもいいのではないだろうか?これはbjリーグに、というよりも今後増加すると思われるスポーツのプロリーグに対して提案したいことである。bjリーグはこういう風に、システムを体を張って実践してくれているのだから(ものすごく勇気のいることをやっているのだから)、他の競技の関係者は真剣にbjリーグの動向を追って分析するべきである。






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Last updated  2006.02.16 16:36:56
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