どんでん返しの出産
タケが夜中2時すぎに私の実家に到着。明日の出産の際に、KENTをうちの親に預けて立ち会えたらいいねーなんてのんきに話していた。7時。いつも通りKENTがむくっと起きて、隣りにパパが寝ているのを見てびっくりし、そして大興奮。私ものそのそ起きて窓でも開けようかと立ち上がった瞬間、ジュワッと嫌な感触。まさかね。トイレで確認。うわあああ破水してるー。でも自然破水の経験がない私。いまいち確信が持てない。量もビシャビシャになるほどでもないし。とりあえず病院に電話。朝一番で看てくれることに。明日もって行くはずだった入院セットを確認しながら、何度もため息をつく。せっかく明日無痛分娩の予定が決まっていたのに。今日だときっと自然分娩だ。冗談で笑っていたことが本当になっちゃったよ。こんなどんでん返しありかよ・・・9時前タケとKENTに付き添われて病院へ。KENTを置いて行きたかったが、ようやく会えた大好きなパパから離れるわけもなく。NSTで張りを見るがいまいち陣痛らしき気配がない。いやぁ、破水じゃなくて、おしっこ漏らしちゃいました~なんてオチかと内心ほっとしていた。9時すぎ先生の内診。「高部破水だね。だから少ししか出なかったんですよ」先生、それ以上の説明もなしに、看護婦さんに、「メトロとって」と指示している。メトロって子宮口広げる風船のことでしょう?今日産んじゃうわけ?私。たまらず、先生に聞く。「今日産むんですか?自然分娩ってことですか?」「麻酔科の先生の予約が取れたら無痛にしてあげるよ」うおおおお無痛分娩ゲットー!興奮してふがふが鼻をふくらませながら、いきなり産婦人科病棟内のLDRへ。9時半メトロの効果が早速出てきて、だんだん痛みが出てくる。近くの駅に電車を見に行っていたKENTとタケが入院の荷物を持ってLDRに入ってきた頃には、私はベッドの上で5分に一度襲ってくる陣痛にふぅふぅもがいていた。おい、痛いじゃないか。はよ麻酔打ってくれーと、半ば切れながら麻酔科の先生の到着を待つ。10時麻酔科の先生到着。ウェルカム麻酔、麻酔。着ている物を脱がされ、パンツも半分ずり下ろされて、お尻を突き出す格好で腰に麻酔を入れるカテーテルが入れられる。痛いけど、合間に襲ってくる陣痛のほうが痛い。はよこの痛み、とってー。10時半この頃になるとかなり麻酔が効いていて、お腹の張りはわかるけど、痛みは感じなくなっていた。あーん、無痛分娩サイコー。これなら何人でも産んじゃうわ。と余裕、余裕。11時半駆けつけた母とおしゃべりしながら、2分おきの張りを確認する。麻酔していなかったら、暴れるくらいの痛さだよね。12時なんかお尻を押される感覚。看護婦さんに言うと、「きっと赤ちゃんの頭が下りてきているせいよ」内診してもらうと、「うわっ、もう8センチも開いてる。もうすぐお産だからご主人呼び戻して」近くのショッピングセンターにKENTを連れてお昼ご飯を食べに言っていたタケに連絡。12時半LDRでもじっとしていないKENT。気が散るので母とKENTをタケに実家に送ってもらうことにした。3人が出て行ってすぐ、子宮口が全開になったと言われ、慌しく分娩の準備にとりかかる看護婦さんたち。えー「肝心の主人がいませんー」「えー!さっきまでここにいたじゃない」「息子を実家に送っていったんですー」急いでも往復15分の距離。タケが戻ってくるまで、必死でいきみたいのを呼吸法で逃す。はよきてくれーいきみたいーLDRの台の上からフーフーいきみを逃しながらタケにメール。今思えばこっけいな図だが・・・『子宮口全開!』『いまどこ?』『はよ戻ってこい』ようやくタケが戻ってきたとの知らせを受け、顔を見た瞬間、「いきんでいいですか?」看護婦さんの合図に合わせて、ウーン。「目を開けたまま、おへそを見て」指示を受けて、またウーン。6回ほどいきんだだろうか。「あー頭見えた」タケの声とともに一瞬痛みが走って、ニュルンとムスメが出てきた。5秒くらいの静寂のあと、ホンギャホンギャホンギャ・・・うーまーれーたー!平成17年7月29日午後0時50分「かれん」誕生体重2650グラム身長48.3センチようこそ かれんパパとママだよ