あさちんが別荘を購入したローマ郊外のオルテでお祭りがあり、
その一環として、参加者を募っての昼食付き遠足があるというので、
2人で申し込んでみました。
何に惹かれたかというと、
その遠足には地下遺跡探検が含まれていたのです。オルテの街はローマからおよそ90km、
フィレンツェ行きの鈍行列車に乗って40分前後です。
ローマからフィレンツェに車で行く時にも必ず通る
高速道路沿いの崖の上に見える街です。
あさちんの家はその崖が一番飛び出したところにあります。
この間行ったオルヴィエートもそうですが、
この辺りは崖の上につくられた小さな街が多いです。
高速道路は目に入るものの、テヴェレ川を眼下に臨み、
燕の群が餌を求めて飛び回るのを目の前で見られるという、
大自然に囲まれた空気のおいしい、のどかな所です。
あさちんの家の屋上に上ると、
燕たちが狂ったようにブンブン(蜂?)飛び回っていて、
ぶつかられはしないかと、怖くなってしまいました。
あさちんの家の驚くのは、
地下(といっても崖の上から掘っているので標高はまだまだ高い)の
納戸です。
全く手入れがされていませんが、
これはあさちんの家がいくつも入るほど広く、
なんと中世の鳩穴が残っているのです。
昔の人は、屋敷の地下部分に穴がたくさん空いた鳩の家を作って、
新鮮な鳩をいつでも食べられるようにしていたそうです。
家に歴史的重要文化財があるなんて…。
そしてそこがゴミ溜め場になっていたなんて…。
イタリアって本当にすごいです。
あさちん、頑張って改装してください。
さて、29・30日はこのオルテの街の
7つに分けられたコントラーダ(小地区)のうちの一つ、
サン・セバスティアーノのお祭りなのでした。
だからわたしたちの参加する小遠足も
サン・セバスティアーノ地区の主催なのです。
コントラーダというのは、もともとは中世に作られた行政区分です。
日本で言う自治会に似ていると思います。
例えば、わたしが住んでいた所は辻4・5・6丁目自治会で、
地域の運動会では他の自治会と競ったものです。
今は近所付き合いとか希薄だからきっとないのだろうな。
イタリアは中世から続いてきました。
運動会ではないけれど、有名なのがシエナのパリオで、
コントラーダが競馬で争うのです。
ロッセッラの地元のカナーレ・モンテラーノでは、
コントラーダ対抗、神輿を背負った
各グループ若い男の子が4人ずつの徒競走というのを
お祭りで見ました。
中世のコスチュームでファッションショーというのもあります。
フラッグ・ショーを見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、
あれもコントラーダでやっているものです。
オルテのコントラーダにそういった競技があるのかは知らないけれど、
この時期には毎週末いずれかのコントラーダがお祭りをやっていて、
それはある意味、競い合っているんだろうな、と思いました。
まずは2500年前のエトルリア人たちが掘った水源を利用して
中世に造られた地下の噴水を見学に。
あさちんちの近くにある、
見学用に整備されている中世の鳩穴群も見てきました。
また、エトルリア人の地下道のうち、
発掘されて見学可能な1600mがあり、
ヘルメットをかぶってそこを歩いてきました。
最近まで水道として使われていたとのこと。
また、病院の地下にある雪を保存していた中世の井戸も見学します。
お昼はコントラーダの特別食堂(祭りの時のみ臨時営業!)で
セットメニューを頂きました。
サラミ、ブルスケッタなどの前菜の盛り合わせから始まります。
麦のスープは終わってしまっていたので巡り合えませんでしたが、
きのこのパッパルデッラ(この辺り特産の幅広パスタ)、ブタさん、
デザートのビスケットまで食べてきました。
ウェイター、ウェイトレスたちはみんな
サン・セバスティアーノ地区の住民。
若者たちも皿を運びながら、
地元を盛り上げようと客をもてなす様子に好感が持てました。
制服姿の警察官が箒を持って掃除をする様子は
イタリアで初めて見ました。
感動しました。
ローマではポイ捨てするのは見かけても
率先して掃除する警官は見たことがありません。
午後は地下ではなく地上のオルテ歩きを。
小道を歩いて教会や中世の邸宅などを見てきました。
ガイド付きで説明してもらって昼食付きで22ユーロ。
これはお得。
ちなみにオルテ温泉の割引き券ももれなく付いてきました。
地下遺跡ツアーのみであれば毎週末に行っているそうです。
業務連絡。
あさちん、バス代の1ユーロ借りたままです。すみません。
次に会うときに返します。