ジャズピアニストの上原ひろみさんが
ローマのアウディトリウムというコンサートホールで演奏しました。
有名な若い実力のある日本のピアニストというのは知っていましたし、
CDを1枚持っていて
聴いたことはあったのですが、
この生演奏にはそれはそれは驚かされました。日本と違って、ジャズも日本のミュージシャンも
上原ひろみも知らない観客がほとんどです。
会場は満席。
夜9時からのコンサートなのに、
ピアノを習っているのでしょうか、
子供も何人か観に来ています。
彼女は装いでも目を引きます。
ボリュームのあるパーマの髪を高く盛って、
金色のストンとした形の、変わったワンピース。
いよいよ始まった演奏は、ダイナミックな、
今までに見たことがない型破りなものでした。
白と黒の88の鍵盤はもちろん、
グランドピアノの最も大きなスペース、蓋が開いた中にある
並んだ弦をもはじいてそれをベースのように演奏し、
一人でリズムを刻みながらメロディーとの両方を弾いたりするのです。
緊張感で空気の張り詰めたようなシーンもありましたが、
うなりながら、時にはシャウトしながら自分の音を楽しみ、
観客に自分が奏でる音の面白さを教えてあげて、
観客もそれを分かって喜んでいる、という
とてもバランスの取れたコンサートでした。
自分の表現力の無さが残念ですが、ピアノと一体になっている、というか、
ピアノのすべてを知り尽くして弾いている、というか…。
キャプテン翼とサッカーボールの関係を思い出しました。
これは同じイタリアツアーでローマの前に寄ったサン・ジョヴァンニ・ヴァルダルノでの演奏。
わたしたちもこの曲聴きました!
カンニングペーパーを見ながらも、終始イタリア語でMCをこなし、
シチリアで作ったというロマンチックなオリジナル曲を披露するなど、
イタリアの観客へのサービスも忘れないのはさすがにプロ。
一人で何時間もパフォーマンスをしているということを忘れさせるほどでした。
zzちゃんが「人間国宝にすべき」と言っていたけれど、
日本人として彼女の存在を誇りに思います。それにしてもこのコンサートが16ユーロってめちゃめちゃ安いです。
イタリアのいいところは安くプロの生演奏が聴けるところ。
外国から来るアーティストやイタリアの有名なポップ歌手などの
コンサートのチケットは50ユーロ以上しますけれどね。
比べて日本はとても高いです。
会場の貸し料金その他もろもろのせいなのでしょうか…。
日本にいるとそもそも生活レベルが高いので、
コンサートのチケットが高くてもそれほど気にはなりませんが、
両方を知っているとこちらの有り難味がよく分かります。
このチケットを前もって買っておいてくれたのはrisoちゃん。
2人のおちびちゃんのママであるrisoちゃんが
夜に外出するのは珍しいことなので、
一緒に出かけるという栄誉に与れてとても嬉しいです。
また一緒にコンサートに行こうね。