COUNT BASIE ORCHESTRA
おととい、たまたまバスに貼ってあった広告か何かでRoma Jazz Festivalがあると知りました。いつから始まるのかな、と思ってサイトを見たら、なんと昨日からで、しかも初日のライヴがCount Basie Orchestraなのです。それで4ちゃんを誘って行くことにしました。わたしは多分Count Basie Orchestraを生で聴くのは初めてです。学生時代、何百枚も何万回も聴いていたこのジャズ・ビッグ・バンドの生演奏というのを恥ずかしながら一度も生で見たことがありませんでした。しかしイタリアって本当に宣伝下手です。こんな大きなイベントを前々から大々的にPRしないなんて、ふざけてます。イタリアのジャズ人口ってすごく少ないから仕方がないんですけれどね。おかげで当日30分前でもチケットが手に入ったし、なんと20ユーロ(約2500円)という破格の値段です。ブルーノート東京だったら9000円くらいするでしょう?会場はわたしの職場からほど近いAUDITORIUM PARCO DELLA MUSICA(アウディトリウム)。ここは、関西空港を造ったことで有名な建築家レンツォ・ピアーノの設計です。客層は日本とだいぶ異なり、ベイシー楽団を知らなくて、正装をしてコンサートホールに来たよ、といった感じのお年寄りがとても多いです。タダ券で来ているのかなあ?日本のようにジャズおたくの若者や中高年のおじさんっぽい人は全体の半分以下だと思います。でもベイシーサウンズはそんなローマの人たちの心にも響いたようで、かなり盛り上がりました。わたしは懐かしくて懐かしくて、胸がいっぱいでした。オープニング曲は初っ端からサックスのユニゾンが泣かせるMoten Swing、それからHeat’s on、Wind machineとテンポの速いかっこいいナンバーばかり。現在ベイシー・オーケストラを率いるのはベイシー楽団、中後期のトローンボニスト、Bill Hughesです。昨日帰ってから家で見た1968年のフランスでのジャズ・フェスティバルにはもう既にいました。若き頃の彼の姿、そしてベイシー・オーケストラ黄金時代の躍動感あふれる演奏がとても格好いいです。バンドのメンバーにはわたしが知っている名前は1人しかいなくて、みんな若手が頑張っています(遠くから見た感じでは)。Bill Hughesはそんなバンドの中で黄金時代を知る唯一の生き字引的存在なのでしょう。MCでNeal Heftiの名前を出してCute、それからサックスのソリが昔の辛い練習を思い出させるIn a mellotone、ベースとトロンボーンをフューチャーしてGood time blues、Bill Hughesは同僚Frank Fosterの名をしきりに挙げていましたが、その彼のナンバーからWhy not?、邦題が『昔はよかったね』というスタンダードナンバーThings ain’t what they use to be、これまた思い出の曲Shiny Stockings、かわいらしくて大好きな曲Strike up the bandなどを演奏してくれました。曲順はちょっと忘れちゃったんですけど、間にボーカルのおばちゃんMelba Bradfordの歌が3曲入りました。このおばちゃんがすごくて、腰まわりが4ちゃん4人分くらいの、ボールみたいなすごい人でした。イタリアの観客はこういうボーカル入りの曲を好むんじゃないかと思ったけど、それでもやっぱりビッグバンド単独の方が盛り上がりました。MCはもちろん英語ですから、実はよく分かりませんでした。新しい曲もあったみたいです。アドリブでラッパの人が「フニクリフニクラ」の一節を吹いてくれたりしたのはイタリア人へのご愛嬌。「おにーのパンツはいいパンツー」です。ギターが入るビッグバンドの演奏って、すごくいいわ、と実感。昔ながらのバンド形態で頑張って欲しいです。シメは定番のJumpin’ at the woodsideとOne o’clock jumpでした。おかげさまで元気が出ました。ちなみメンバーはこんな感じです。Director : William “Bill" HughesTrumpet : Michael Williams, William “Scotty” Barnhart,Waldron Ricks, Kris JohnsonTrombone : Clarence Banks, David Keim,Barry Cooper, Alvin WalkerAlto Sax : Marshall McDonald, Cleave GuytonTenor Sax : Doug Miller, Doug LawrenceBaritone Sax : John WilliamsDrums : Ulysses OwensBass : James LearyGuiter : Will MatthewsPiano : Llew Matthews写真はこちらのサイトでも見られます。同行してくれた4ちゃん、ありがとうございました。最近、どこかでベイシー・オーケストラのライヴを見たという人がいたら、どんなだったか教えてくださいね。