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テーマ:首都圏の鉄道(136)
カテゴリ:鉄道
昨日の続きです。
炎天下の中、京王線調布駅から西へ向けて数百メートル歩くと、 建て込んだ民家同士の隙間から地上5階分くらいはあろうかという 巨大な鉄骨組みが見えてきました。 ここが地上線路と地下線路との切り替え部分です。 通常、鉄道を立体交差する際は、線路横の土地を収用し、 そちらに仮の線路を敷いて、いったんその仮線に列車を走らせつつ、 本来の線路を剥がして高架橋を造るなり、トンネルを掘るなりするのですが、 調布周辺は住宅が線路際まで建て込んでおり、仮線を敷く余裕は元々ありません。 そこでどうしたかというと、地上の線路の真下にトンネルを掘ったのです。 深いところは「シールドマシン」という大きな装置を使い、 モグラの要領で掘り進み、駅の部分や地上へのアプローチ部分は 地下深くに埋め込んだ鉄骨で線路を支えながら、 列車の走らない深夜帯を利用して少しずつ掘り進んでいくという、 かなり手間ひまのかかる工法です。 そして地下線への切り替え日には、アプローチ部分の地上線路を剥がすと、 すぐ真下に地下線への線路が表れ、その新しい線路と接続すると、 晴れて地下線へのアプローチが完成するという趣向。 このアプローチ部分の切り替え工事には相応の時間がかかるため、 前日土曜の終電後から日曜日の始発までの4時間では到底間に合わず、 日曜日の午前10時まで運休して時間を捻出したということです。 アプローチ部分に近づくと、工事用の資材置き場に、 前の晩に重機によって引きはがされた古い線路が無造作に積み上げられていました。 その古い線路が敷かれていた部分は、 今はその痕跡もわからないほど、きれいに地下へのアプローチが成っています。 (下の写真で、左側の砂利敷きが地上線、コンクリート土台が地下線へのアプローチ部分) 一応の開通を見たこの時間でも、大勢の保線員が線路の微調整作業を行っていました。 鉄骨造りのアプローチ部分の構造物を見上げると、 ここにも線路が吊り上げられているのが見えました。 古い線路を引きはがすのは、地上線と地下線の接続部分に限っていて、 それよりトンネルに向かっては、線路を吊り上げる方法で 作業を合理化する作戦。そのための巨大な鉄骨造りの構造物だったんですね。 あれこれと観察している間も、間断なく上り下りの列車が通過していきます。 乗客も今日から地下線に切り替えられたのは承知の人がほとんどのはず。 興味津々で外の景色を眺めているのが、こちらからもうかがえました。
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最終更新日
2012年08月20日 21時05分17秒
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