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テーマ:首都圏の鉄道(136)
カテゴリ:鉄道
鉄道ではしばしば「人身事故」が発生しますが、
その中でも顕著なのが駅のプラットホームからの転落。 首都圏では、もう10年前になりますが、 JR山手線の新大久保駅で、酔い客が誤ってホームから線路に転落し、 助けようとした韓国人学生と日本人写真家が線路に降りたとたん、 電車がホームに進入し、3人とも即死するという痛ましいできごとがありました。 近年も、同じ山手線の目白駅で、目の不自由な乗客が誤ってホームから転落、 入線してきた電車に轢かれて亡くなる事故が起きています。 この、ホームからの転落を防ぐ有効な方策が 「ホームドア」と呼ばれるもの。 電車がいないときはドアが閉まっており、 電車到着時には車両のドアと連動して開閉する仕組みなので、 ホームに転落することがありません。 都内では地下鉄駅を中心に、徐々に普及しだしており、 JR東日本も、まずは山手線の全駅に設置するという方針で、 徐々に工事が進められています。 ところが、JRの他の路線や私鉄ではなかなか普及していません。 普及を阻む要因には、コストがかかることが挙げられますが、 実はそれ以上のテクニカル的な難関が待ち受けています。 それは、車両によって側面のドア数やドア位置が異なることです。 現在、普及しているホームドアは、どの列車もまったく同じ位置に 同じ数のドアが存在していることが前提です。 山手線は同じ形式の車両しか走っていませんので、 自ずとこの条件をクリアできます。 地下鉄については、たとえば東京メトロの副都心線は、 私鉄の東武・西武・東急などと相互乗り入れしていて、 各社の車両が行き交っているものの、 どの会社の車両もドアの数や位置をそろえていることで、 ホームドアが実現できています。 ところが、たとえば僕が毎日利用している西武新宿線は、 特急車両はドア数が1つか2つですし、 一般車両も4つドアの車両と3つドアの車両が混在して運用されていて、 それぞれドアの位置も異なるため、 今、普及しているホームドアを設置できないんですね。 ところが技術の進展はすごいもので、 ドアの数や位置にこだわらずに運用できるホームドアが 開発されていってます。 で、そんなホームドアを開発したメーカーが、 試験的に本番と同様の運用をすることを期間限定で行っていまして、 わが西武新宿線の新所沢という駅に、 1両分だけ、その新型ホームドアを設置しているんですね。 試験中の戸袋移動型ホームドア posted by (C)まさやん6312 ホームドア実証試験中の告知板 posted by (C)まさやん6312 この装置、電車の到着時に、 その車両のドア数や位置に合わせて ホームドアが左右に移動する仕掛けになっているんだそうです。 こういう優れものの装置が、安価に出るようになると、 駅のホームドア設置数は劇的に増えるようになるでしょう。 早く、どこの駅も安全なホームになってほしいものです。
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最終更新日
2013年10月24日 19時19分25秒
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