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テーマ:最近の新聞記事から(235)
カテゴリ:鉄道
今朝の新聞。
一片の訃報記事に目が行きました。 種村直樹さんの訃報記事 posted by (C)まさやん6312 種村直樹氏。 『レイルウェイ・ライター』と称する、 鉄ちゃんの間では言わずと知れた鉄道ルポライターです。 今でこそ、『鉄道ファン』が市民権を得ていますが、 10年ほど前までは、 いわゆる『オタク系』に分類されるような、 なかなか理解されない世界でした。 だから僕も含めて、なるべく周囲には 自分が鉄道好きとは思われたくない、 いわゆる『隠れ鉄ちゃん』がわんさかといたことです。 今は、『女子鉄』『ママ鉄』の言葉があるように、 女性もフランクに鉄道に慣れ親しむ風潮が出てきて、 隔世の感がありますね。 それに呼応するかのように、 鉄道をテーマにコラムを書いたり、 ルポルタージュを著す、 いわゆる『鉄道ライター』なる職業が成立しているわけですが、 そのはしりを演じたのが、この種村直樹さんなんです。 鉄道を趣味とする人たちが まだまだ特殊な目で見られていた昭和40年代に、 それまで勤務していた新聞社を辞し、 フリーの鉄道ライターとして独立。 「鉄道を題材にした記事だけで食えるはずがない」 誰もその道を歩んだことのない未知の世界へ進もうとする種村氏を 関係者は冷たい目で見下したそうですが、 しかしその大冒険に強く背中を押したのが、 僕も毎月愛読している『鉄道ジャーナル』という雑誌でした。 同誌の発起人である当時の編集長が種村氏の文章に惚れ込み、 「あなたの書いた記事をすべて当誌に採用する」 ことで、同誌とほぼ専属契約というスキームを提案。 それが同氏をして独立の大きなきっかけだったと言います。 僕が鉄道ジャーナル誌を読み始めた40年ほど前。 既に種村さんは同誌の花形ライターとして活躍されており、 その軽妙な筆致とわかりやすい描写に、 僕も文章を書く際の大きな手本とさせていただきました。 10年ほど前から若手のライターに道を譲るように、 徐々に同氏の紙面スペースが小さくなっていき、 数年前の編集長交代がきっかけで引退されたよう。 その後、病気療養中との噂も耳にしていましたが、 やはりがんに冒されていたようです。 今年78歳、ということは、 僕の父親と同い年。 父も今、胃がんに冒されて闘病中の身。 僕のものを書く際の師匠でもあった人が 同じがんで斃れたことで、 妙なシンクロを感じたことです。 --合掌
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最終更新日
2014年11月09日 09時49分41秒
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