|
テーマ:関西の鉄道(2564)
カテゴリ:鉄道
毎年巨額の赤字を計上し、
実質的に破綻状態だった国鉄の時代であっても、 大阪市内を一周している大阪環状線は 数少ない黒字路線の1つでした。 にもかかわらず、大阪環状線を走っている電車は、 未だに国鉄時代のお古です。 他の路線ではJRになってから どんどん新しい車両が竣工し走り出しているのですが、 なぜかJR西日本を代表する大阪環状線は パッとしない路線に成り下がっていました。 ところがここにきてようやくリニューアルの話が。 駅をリモデルするとともに、 いよいよ大阪環状線専用の新車が 再来年に登場するそうです。 323系という新形式の車両は、 鉄ちゃんにしてみれば「えっ?」という外観。 何が驚きなのか、というと、側面の乗降扉が 1両に付き片側3箇所に留まってしまうんですよね。 通勤用の車両は、 一般的にJRも私鉄も4枚扉が標準です。 なぜなら、混雑する時間帯に 乗客に早く乗り降りしてもらうためには、 扉の枚数が多ければ多いほどスムーズだからです。 それが、大阪の中心部を走る路線であるにもかかわらず、 4枚扉から3枚扉へ減るわけですから、 にわかにそういう発想が出てくること自体、 驚きの話なんですよ。 これには事情があって、 同じ大阪環状線を走っている、 奈良方面へ向かう大和路快速や、 関空・和歌山方面へ向かう 関空快速・紀州路快速の車両が3枚扉でなんですね。 プレーンな大阪環状線の車両が4枚扉だと、 乗客がホーム上のどの位置で次の列車を待てば良いのかわからず、 それが混乱やマナー違反を助長する原因になっていました。 国鉄時代からの話ですが、 都市間を結ぶ快速列車は昔から3枚扉が主流で、 いわゆる短距離の電車区間を走る列車は、4枚扉が主流。 大阪環状線はこのような都市間快速と 電車区間のローカル電車を同じ線路を使って運行中なんです。 だからホーム上では電車を待つ行列の位置に 一喜一憂することになるんです。 それが、今回の新車投入で、 大阪環状線はほぼすべての列車が3枚扉となり、 乗客は列車によって並び位置を変える必要がなくなります。 それにしても側扉が1枚減って、 ラッシュ時間帯の乗り降りはスムーズになるのか? まぁ少子高齢化ということもありますし、 意外に乗客数は減るだろう、という予測なんでしょうかね。 そこいくと、東のJR東日本はというと、 首都圏の人口が半端なく、 しかも人々はより外縁部に居住する傾向があることから、 こちらはむしろ快速列車用の車両が通勤電車と同じく 片側4枚扉になっているんです。 同じ郊外を結ぶ快速電車なのに、 東と西でその背景や設計思想が大きく異なってきたんですね。 ということで、東西のJR車両の仕様対決でした。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年12月09日 23時20分55秒
コメント(0) | コメントを書く
[鉄道] カテゴリの最新記事
|
|