行政書士試験 公務員試験の行政法の問題を見てみよう
今日は勉強する気分にならなかったので、パソコンのデーター整理とかをしていました。 スキャナーに付属OCRソフトを使って、国家公務員試験2種行政職で出題された行政法の問題の一部を掲載しました。最近の公務員試験の行政法の難易度アップが分かっていただけると思います。答えと残りの問題は準備ができ次第アップする予定です。OCRソフトとは、印刷された活字文字を、スキャナなどを利用して画像データとして取り込み、テキストデータに変換する活字文字認識ソフトのことです。私が使っているもののバージョンアップ版を紹介します。No.22~No.28は行政法です。※今年の国家公務員試験2種試験より7問中2問を掲載します。興味がある方はこちらの雑誌を読んでみてください。受験ジャーナル(公務員試験情報のバイブル的な雑誌)解答は,問題番号に該当する答案用紙の番号欄に記入してください。【No.22】「法律による行政」の原理に関するアーエの記述のうち,妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。ア。封建時代の統治団体や近世の専制主義の国家では,領主・君主などの権力者が布告・布令・勅令などの形式で一方的に法規を制定し,これを自ら執行するとともに,自己の裁判所で裁判することになっていたことから,既に「法律による行政」の原理が行われていたといえる。イ.「法律による行政」の原理の一側面である「法律の留保」の原則とは、およそ行政の活動は法律の根拠に基づかなくてはなら帥ことを意味する。この「法律の留保」の原則の適用範囲については・意見の対立があり・我が国の最高裁判所は,国民の自由・平等にかかわる本質的な事項については法律の留保を要するとする本質事項留保説に立つことを明らかにし,法制実務もこの説に依拠している。ウ.「法律による行政」の原理の一側面である「法律の優位」鵬則とは,行政活動は法律に違反するものであってはならず・また,行政措置によって法律を実質上改廃,変更してはならないことを意味レ権力的行政活動であると非権力的行政活動であるとを問わずまた,国民に不利益を課す作用であると利益を与える作用であるとを問わず,等しく適用される。エ.「法律による行政」の原理と「法の支配」の原理は,共に公権力の行使に対する法的統制の原理としての共通性を持つが・「1去律による行政」の原理は,立法権と行政権との関係を念頭に置いて国民代表機関である国会の制定した法律に行政を従わせることを狙った原理であるのに対して・「法の支配」の原理は・市民社会を支配し,司法裁判所によって形成・運用される判例法.慣習法等も含めた広い意味での法が行政活動をも支配することを意味する。1ア,イ2ア,ウ3ウ,工4イ5工【No.23】行政庁の不作為が国家賠償法上違法となるかどうかについての次の判例(最判平元11.!4民集43巻10号1169頁)に関する1~5の記述のうち.妥当なのはどれか。宅地建物取引業法(昭和・55年法律第56号による改正前のもの=以下「法」という。)は,第2章に」て・宅地建物取引業を営む者(以下「宅建業者」という。)につき免許制度を設け,その事務所の設置場所が2以上の都道府県にわたるか否かにより免許権者を建設大臣又は都道府県知事(以下「知事等」とう)に区分し(3条1項)・免許の欠格要件を定め(5条1項)この基準に従って免許を付与して、3年ごとにその更新を受けさせ(3条2項),免許を受けない者の営業等を禁止し(12条)第6章章において、免許を付与された宅建業者に対する知事等の監督処分を定め,右業者が免許制度を定めた法の趣旨に反する一定の事由に該当する場合において、業務の停止(65条2項)、免許の取り消し(66条)をはじめ、必要な指導、助言及び勧告(71条)、立ち入り検査等(72条)を行う権限を知事等に」付与し、業務の停止又は免許の取消を行うに当たっては,公開の聴聞(69条)及び公告(70条1項)の手続を義務づけている。法がかかる免許制度を設けた趣旨は,直接的には,宅地建物取引きの安全を害するおそれのある宅建業者の関与を未然に排除することにより取引の公正を確保し,宅地建物の円滑な流通を図るところにあり,監督処分権限も,この免許糊度及び法が定める各種規制の実行を確保する趣旨に出たものにほかならない。(中略)また,業務の停止ないし免許の取消は、当該宅建業者に対する不利益処分であり,その営業継続を不能にする事態を招き,既存の取引関係者の利害にも影響するところが大きく,そのゆえに前記のような聴聞,公告の手続が定められているところ、業務の停止に関する知事等の権限がその裁量により行使されるべきことは法65条2項の規定条明らかであり,免許の取消については法66条各号の一に該当する場合に知事等がこれをしなければならないと規定しているが,業務の停止事由に該当し情状が特に重いときを免許の取消事由を定めている同条9号にあっては,その要件の認定に裁量の余地があるのであって,これ処分の選択,その権限行使の時期等は,知事等の専門的判断に基づく合理的裁量に委ねられているというべきである。したがって,当該業者の不正な行為により個々の取引関係者が損害を被った場合であっても,具体的事情の下において、知事等に監督処分権限が付与された趣旨・目的に照らし、その不行使が著しく不合理と認められるときでない限り,右権限の不行使は,当該取引関係者に対する関係で国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないといわなければならない。」1.この判例によれば,宅地建物取引が「益々国民生活において重要性を増しつつあること」,加えて、「しばしば極めて高額の取引となること」を考慮しても,行政庁の不作為が違法とされる余地はない。2.この判例によれば,免許の取消しのように名宛人に重大な影響を及ぼす行為をしようとする場場合行政庁に広範な裁量を認める余地がある。3.この判例によれば,行政庁の不作為は,当該不作為の名宛人以外の者との関係で違法とされる余地はない。4.この判例によれば,法文上「…することができる。」とされている場合であっても,行政庁の不雇法とされる余地がある。5.この判例によれば,法文上「…しなければならない。」とされている場合には,行政庁に裁量の余地ない。宅地建物取引業法(昭和55年法律第56号による改正前のもの)(指示及びび業務の停止)65条2 建設大臣又は都道府県知事は,その免許を受けた宅地建物取引業者が次の各号の一に該当する場合においては,当該宅地建物取引業者に対し,1年以内の期間を定めて,その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。(第1号から第8号まで略)(3項及び第4項略)(免許の取消し)66条建設大臣又は都道府県知事は,その免許を受けた宅地建物取引業者が次の各号の一に該当する場合においては,当該免許を取り消さなければならない。(第一号から第9号まで略)知事等に」付与し、業務の停止又は免許の取消を行うに当たっては,公開の聴聞(69条)及び公告(70条1項)の手続を義務づけている。法がかかる免許制度を設けた趣旨は,直接的には,宅地建物取引きの安全を害するおそれのある宅建業者の関与を未然に排除することにより取引の公正を確保し,宅地建物の円滑な流通を図るところにあり,監督処分権限も,この免許糊度及び法が定める各種規制の実行を確保する趣旨に出たものにほかならない。(中略)また,業務の停止ないし免許の取消は、当該宅建業者に対する不利益処分であり,その営業継続を不能にする事態を招き,既存の取引関係者の利害にも影響するところが大きく,そのゆえに前記のような聴聞,公告の手続が定められているところ、業務の停止に関する知事等の権限がその裁量により行使されるべきことは法65条2項の規定条明らかであり,免許の取消については法66条各号の一に該当する場合に知事等がこれをしなければならないと規定しているが,業務の停止事由に該当し情状が特に重いときを免許の取消事由を定めている同条9号にあっては,その要件の認定に裁量の余地があるのであって,これ処分の選択,その権限行使の時期等は,知事等の専門的判断に基づく合理的裁量に委ねられているというべきである。したがって,当該業者の不正な行為により個々の取引関係者が損害を被った場合であっても,具体的事情の下において、知事等に監督処分権限が付与された趣旨・目的に照らしその不行使が著しく不合理と認められるときでない限り,右権限の不行使は,当該取引関係者に対する関係で国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないといわなければならない。」1.この判例によれば,宅地建物取引が「益々国民生活において重要性を増しつつあること」,加えて、「しばしば極めて高額の取引となること」を考慮しても,行政庁の不作為が違法とされる余地はない。2.この判例によれば,免許の取消しのように名宛人に重大な影響を及ぼす行為をしようとする場場合行政庁に広範な裁量を認める余地がある。3.この判例によれば,行政庁の不作為は,当該不作為の名宛人以外の者との関係で違法とされる余地はない。4.この判例によれば,法文上「…することができる。」とされている場合であっても,行政庁の不雇法とされる余地がある。5.この判例によれば,法文上「…しなければならない。」とされている場合には,行政庁に裁量の余地ない。宅地建物取引業法(昭和55年法律第56号による改正前のもの)(指示及びび業務の停止)65条2 建設大臣又は都道府県知事は,その免許を受けた宅地建物取引業者が次の各号の一に該当する場合においては,当該宅地建物取引業者に対し,1年以内の期間を定めて,その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。(第1号から第8号まで略)(3項及び第4項略)(免許の取消し)66条建設大臣又は都道府県知事は,その免許を受けた宅地建物取引業者が次の各号の一に該当する場合においては,当該免許を取り消さなければならない。(第一号から第9号まで略)