原発、地震と現実
22日、参院予算委員会で注目の発言があった。今回の地震が「想定外」だったと原子力安全委のトップが認めた。【送料無料】原発と地震価格:1,575円(税込、送料別)原発安全性確保に「想定」世界的見直し必要(サーチナニュース)国会で証言したのは原子力安全委員会委員長の班目春樹氏。今回の福島原発での事故についてこう述べている。「想定を超えたものであり、想定について世界的な見直しがなされなければならない」(太字部分、上記サーチナニュースのリンク記事から引用)この証言、本音なのだろう。だが、世界的に想定を見直すのにどのくらいの時間がかかるのか?その間も原発は世界各地で稼動する。大地震が起きないように世界で祈るしかない?参院での質問者は社民党党首の福島みずほ氏。なかなかいい突込み。浜岡原発裁判での班目氏の証言を元に、こんな質問もしている。「非常用ディーゼルが2台とも動かない場合に大変なことになるのではないかと質問を受け、そのような事態は想定しない。そのような事態を想定したのでは原発はつくれない。だから、割り切らなければ設計なんて出来ませんね、と言っている。割り切った結果が、今回の事故ではないのか」(同様に上の記事から引用)これに対し、班目氏の答えはこれ。「割り切らなければ設計は出来ない、というのは事実。ただし、割り切った割り切り方が正しくなかったということも十分反省している」(同じくこれも引用)このやり取りは興味深い。まず、原発の地震対策は万全ではなかった。そして原発は割り切った設計がなされている。あれだけ「安全」だと言い張ってきた主張は何だったのか。私にはまったく理解できない。「そのような事態を想定したのでは原発はつくれない」ということについて。班目氏はこう答えた。「原子力を推進してきた者の1人として、個人としては謝罪したい気持ちがある」(これも同じく引用)原発に不安を感じているほとんどの人。その人たちにとって「個人の謝罪」にどれだけの意味があるのか?個人ではなく、今まで原発を推進して来た人たちで話し合ってほしい。そうすれば個人ではなく全体としての見解が出るだろう。この報道を読んだ私の感想はこれ。技術者は信用できない福島原発の事故は、その後の影響が大きい。福島県産の野菜からは規制値をはるかに上回る放射性物質が検出された。最大164倍のセシウム検出 厚労省、福島県産野菜から(asahi.com)福島県産の野菜は、当面市場に出ることはないだろう。何しろ第一原発から約60キロ離れた場所の茎立菜(クキタチナ)。1キロあたり8万2000ベクレルの放射性セシウムが検出された。これは規制値の実に164倍。「原発やめて電力をどう供給するのか?」という疑問はもちろんある。だが、班目氏のような原発推進した技術者の発言。そして被曝した人や農産物などの影響を考えると。日本の原子力政策が正しいとはどうしても思えない。少なくとも電力需要を削減する努力は今後もすべきだ。その上で電力を原子力について話し合う必要がある。追記 この事故で、国も損害賠償の負担をするという。原発事故周辺住民への損害賠償、国も負担へ(読売新聞)国の負担額は1200億から2400億円。「原発の電力は安い」と推進派は主張していなかった?高レベル放射性廃棄物の処理もできていない現状。にもかかわらずこんな事故を起こして周辺に迷惑かけまくり。福島原発は一部が廃炉になる予定で、その費用もかかる。結局原発は高くついたのではないか?これが「夢の最新技術」というのなら、なんともお寒い現実。「原子力の平和利用」、現実はこんなもの※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。その場合リンクは必要とはしません。意見があればメッセージでどうぞ。ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。今のところメッセージは全て読んでいます。