小児科医自殺で賠償認めず
30日、東京地裁で小児科医の自殺に関する判決公判があった。自殺での病院側賠償を認めないとする原告敗訴の判決が出た。 小児科医自殺 賠償認めず…東京地裁判決(読売新聞)全国的に小児科医は減っているという話がある。少子高齢化と激務がその原因だと言われている。この件では労働基準監督署を相手にした裁判で原告が勝訴した。すでに厚生労働省が控訴を断念しており、判決は確定している。激務→うつ病→自殺 という流れが認められた。医師の自殺は労災となった。しかし今回は激務とうつ病の関連が認められなかった。というよりこの医師の勤務が激務であるとの認定がなかった。人の命を左右する医師が24時間、さらにそれ以上の勤務を複数こなすのはムリだ。それこそ医療ミスを誘発するだけ。自殺した医師の勤務は過密であるとしか思えない。この裁判の影響は大きい。全国にいる日頃過密勤務を感じている小児科医がどう感じるか。別の病院へ行ってしまうかもしれない。小児科医そのものが減少してしまう恐れもある。夕張の例を見なくても全国的に公的病院の閉鎖や縮小が見られる。このままでは医療体制の不備が患者へ影響することすら危惧される。さらに言いたいのが裁判官がどれだけ現状認識できているかという点。聞けば裁判官は赤提灯で酒を飲むことすら禁じられているという。そんな「温室育ち」の裁判官が社会のことを正しく理解できているとは思えない。こんな判決文書くな!日本から小児科医がいなくなるぞ!***********************関連記事小児科医自殺、病院の賠償認めず 小児科医過労死裁判不当と思える判決中原先生↑今回の裁判だけでなく医療の実態に関する詳しい記事。大いに参考になった。医師自殺は過労死と言えない小児科医自殺、病院の賠償認めず 東京地裁の判断割れる↑中原医師の99年3月の勤務:宿直8回休日出勤6回24時間以上の連続勤務が7回休日は月に2日これで賠償が認められないのなら、何が賠償の対象になるのか。まったく理解に苦しむ。医師は神様じゃない。ロボットでもない。患者と同じ人間だ。小児科医の過労自殺 民事訴訟では因果関係を否定小児科医過労自殺民事裁判敗訴小児科医過労自殺を巡る2つの判決小児科医の自殺をめぐる二つの判決↑以下の記述に賛成。私もこの件での報道をテレビで見ていて同じことを考えていた。>月に8回の当直勤務、しかもそれは毎回30時間以上に及んでいたという。夜勤というものがどれだけ体力を消耗し、理性的な判断を失わせるものか、湯川裁判長は一度一月でも研修と称して体験してはどうか。「裁判官という生き物が、いかに非常識で一般感覚や庶民感情からかけ離れた生き物」という部分も私と考えが同じだ。うつ病で自殺の医師 使用者側の責任認められず↑この件だけでなく、「拘束下にある時間と労働時間」について述べられている。この点で私は高く評価する。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。その場合リンクは必要とはしません。意見があればメッセージでどうぞ。ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。今のところメッセージは全て読んでいます。