上脇博之著『検証 政治とカネ』を読む
「しんぶん赤旗」の8月25日付で、この本を知りました。
法政大学の元総長・田中優子名誉教授が、この本を紹介してくれていたんですね。
今、自民党の総裁選挙で誰が出るのか、
それがテレビ・ニュースのネタに、盛んになってますが。
肝心の裏金問題の輪郭と、それに対する態度が問われているじゃないですか。
いったい何が問題なのか、この上脇著『検証 政治とカネ』は、その視点を提起してくれてます。
たまたま本日、最寄りの私鉄の駅の書店を通った時に、
本屋さんの店頭の本棚には見当たらなかったんですが、店員さんに聞いてみました。
「この本があるかどうか」、ダメもとで。
すると、どこからか、探し出してきてくれました。
この本で2つのことがわかりました。
一つは、政治家(自民党政治家)の裏金を調べるのは、いかに庶民には厄介なことかということです。
如何に国民の日々の生活からしたら、詮索することが難しいことか、そこをひも解いてくれてます。
田中優子氏の紹介でも「すべてを覚えられるけではないが、・・・」とありますが、
まったくもってその通りで、
そのつながりを、今、国民は執念をもって解きほごさなければなりません。
もう一つは、上脇教授はというのは、そもそもは憲法学者なんですね。
昨今の活躍を見聞きしていると、政治ジャーナリストのような印象をうけていたんですが。
根本的には、憲法の民主主義的制度が、今の政治動向で、いかに歪んでいるのか。
それに対する義憤が、国政の中心問題に押し上げられた人で、民主主義者なんですね。
新発見でしたが、憲法学者だったんです。
今の現状のごみ溜めのような事態ですが、これをどのように掃除すべきか、
この認識が、上脇氏のベースにあっての、
今回のヌエ的な裏金政治をときほごしている努力であることがわかりました。
ただし、私などとしては、田中教授の感想に近いんです。
「具体例を挙げて詳細に説明している。すべてを覚えられるわけではないが、座右の書にすれば、疑問を持ったらすぐに調べられる。」
上脇教授が開拓してきた知識と、赤旗記者が追跡した執念ですが、簡単なことではないことです。
しかし、簡単ではないけれど、いま日本国民は、この問題をクリアーしなければならない。
そうした力を持たなければ、永遠にこのせこい政治家どもにバカにされる、ということです。
「お前たちは1円でも申告義務とされるけど、俺たちにとってはそんなのは屁のようなものだ」
「それが、最近のこの国でくりひろげられている政治家というものなんだ、それが今のご時世なんだ」、絶対にそんなことは口にはしないけれど、しかし総裁選の実際の姿がそれを語ってくれてます。