まかせてまかさず
休んでいる間に、皆さんからいろいろメッセージをいただきました。それから、皆さんの日記も楽しく読ませていただきました。その中で、LABOちびままさんからのお返事が考えさせられる内容だったので、ちょっと書いてみたいと思います。以前私が書いたツブヤキのなかで、子ども自身の伸びる力を信じることと受験につてい書きました。それが、矛盾する内容という趣旨のご指摘を受けて、なるほどなぁと思いました。確かに受験について細かいことを言う親は、子ども自身を信じていないようにも思われます。私もう~んと唸ってしまいました。それでいろいろ考えてみて思い浮かんだのが、松下幸之助氏の「まかせてまかさず」という言葉だったのです。これぞ、まさに矛盾のきわみなのですが、社員を育てるときに松下氏が心得ていた言葉だそうです。実は私もこの件でさらに考えて思ったのが、子どもにまかせすぎ、親がすべてレールを敷く。どちらかに偏った教育は無理がでてくるのではないかということです。確かに子ども自身の伸びる力を信じるなければなりませんが「放任」してはだめです。受験のメリットについて親は知っていなければ、子どもを受験の苦しみから救えません。なぜなら、目的がわからず辛いことをすることくらい、辛いことはないからです。オリンピックのアスリートもオンりンピックで活躍したいという夢があるからこそ、辛い練習もがんばれるのです。何の目的もなく高山をマラソンで走るトレーニングを続けることはできないはずです。学ぶことの意味や受験そのもののメリットを知っているからこそ、受験勉強という異常な環境を耐えられるのです。この受験の意義や学ぶことの意味を子どもの頭だけで考えよというのは無理があります。大人ですら「何のために勉強するのか」と聞かれたら答えに詰まるのですから。かと言って、そのメリットを口で言っただけで子どもに理解してもらうのも難しいです。ただ、理解はされなくても伝える義務はあるのではないかと思うのです。親が勉強の意味や受験の意義を知っていることは大きなことだと思います。親に迷いがあれば、子どもは不安になって、本当に自分のしていることに意味があるのが悩むでしょう。けれど、親が意味があるのだとどっしりと構えていれば、そのとき子どもは理解できなくても、安心感はもてると思うのです。「まかせてまかさず」子育て流に言うと、「子どもの伸びる力を信じるけれど、手伝いもする」というところでしょうか。このバランスが難しいところです。でも、心に留めておけば、重要なときに最良の判断ができるようになるのではないでしょうか。