リース取引と消費税
久しぶりに税法の話題です。平成20年4月1日以降に締結したリース契約についてはこれまでのようにリース料支払の都度、「賃借料」などとして経費にするのではなく、原則として減価償却資産のようにリース料総額で買い取ったこととして処理することが求められるようになりました。リース契約締結時にリース料総額の未払い金を立てておいて毎月のリース料の支払の都度、その未払い金を消していくというやり方です。このリース料相当額は減価償却費として経費になっていくのですが、この減価償却費は定率法ではなくリース定額法というこれまでのリース料をそのまま経費にするのとあまり変わらないので損益の面からみるとあまり大きな影響はありません。しかし、消費税の計算がこれまでと変わってきます。これまではリース料支払の都度、課税仕入れとしてきましたが、これからはリース契約締結時に全体の引渡しがあったものとして課税仕入れにすることになったようです。つまり、リース料総額1,050万円で100回のリース契約だったとすると今までは月105,000円の支払時に5,000円ずつ、1年で6万円の課税仕入れを立てていたのがこれからはリース契約締結時に一気に50万円の課税仕入れを立てることになります。さらに厄介なことに、法人税や所得税の計算上、中小零細事業者やリース料総額が小さい場合にはリース料定額法による減価償却をせずに今まで通り賃借料とすることも可能とされているのですが、消費税は締結時に課税仕入れとするやり方しか認められないとのことです。ですから、法人税や所得税で「賃借料」とすると消費税の計算との乖離が発生することになります。こうやって税法は年々フクザツになっていく・・・ということのいい見本のような改正だと思います。人気ブログランキングへ