カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。 今週阿辻先生が取り上げた漢字は「竹帛(ちくはく)」。 何とも見慣れぬ言葉です。まあ「竹」はお馴染みの漢字ですからわかるとして、問題は「帛」。読みは「ハク」で絹、絹布のこと。 つまり「竹帛(ちくはく)」とは、竹と絹のことで紙が発明される前に文字を記した素材のこと。 竹を削って長さ23センチ幅7ミリくらいの短冊とした「竹簡」や「木簡」は、古代中国で紙が発明される前に最も広く使われたたことは、以前この講座で学びました。 一方絹は三千以上も前の甲骨文字の時代から、「桑」や「蚕」の文字があるそうで、すでにその時代から養蚕がおこなわれていたことがわかると阿辻先生は教えてくれています。 現代においてさえ絹は高価な繊維で、絹の着物など庶民にはなかな身に着けることは出来ないように、そんな高価のものに文字を書き付けるということは、さすがに漢代より前にはほとんど見当たらないそうです。しかし逆に、大切な文章は絹に記してまで残す価値があったということでもあるわけで、文字がいかに大切であったかの証明でもあります。 孔子が説いた儒学では、親に対する「孝」を大切にしましたが、もっとも究極の親孝行は、「あの優れた方のご両親はきっと素晴らしい人だったのに違いない」と、世間に両親の存在を顕彰することにあったと阿辻先生は教えてくれています。 儒学の経典『孝経』の冒頭には、「立身行道 揚名於後世 以顯父母 孝之終也(身を立て道を行い、名を後世に揚げ、もって父母を顕かにするは孝の終わりなり)」と記してあると。 これを「名を竹帛(ちくはく)に垂(た)る」というと。 ・・・う~む、私も後世に「竹帛」垂(た)りたいものだとは思いますがね。今この歳になって初めて「竹帛」ということばを知るようでは、とても無理というものです。(涙! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 12時23分30秒
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