カテゴリ:美術・芸術・展覧会
今週は、「芸術の秋」と称して?
展覧会関係のお話を中心に書いていこうと思います。 * さて、第一段は、 2週間ほど前に鑑賞しました、 「艶●源氏展」 ~和紙と光と音が織りなす、壮大な空間絵巻~ について。 ↑すみません、写真が光ってしまいました・・・ この展覧会は、 和紙塑像家・内海清美さんが作られた 和紙人形たち(約350体)による、 源氏物語の中の16シーンが展示されていました。 * これら、内海さんによって作られた人形たちは、 男は煩悩(♂型)、 女は理性(♀型)として表現されていました。 内海さんは、 これら“煩悩”・“理性”共に 「重く、苦しく、しんどい」ことだと定義?されていました。 女は理性・・・ う~ん。 自分の願望に、ものすごく素直な私は「理性」で これまで苦しんだことがあんまりありません。 けれど、源氏物語が作られた頃の女性たちは、 今の私たちとは比べられないくらいの 「女性としてこうあるべき」という縛り(道徳)に 苦しめられていたのかなぁ~と この人形展を観て、感じました。 * また、展覧会の題に「艶」という字が入っていることにも 納得です。 内海さんの手によって作られた男性、特に「光源氏」の表情は、 美しいというよりかは、 「欲望」が前面に押し出されていて、 妙に生々しい・・・ “男は煩悩” まさにそのとおりの表情をしていました。 人形たちは、全身「白色」にこだわって作られていたのですが、 表現された「艶めかしさ」によって それが、全く「白色」に見えない。 また、会場内で流されていた音楽も、 源氏物語自体が持つ「流麗」というイメージからは、 大よそかけ離れたメロディーで、 聴いていて、落ち着かない。 宮廷の中の人物たちは、執拗に?精巧に作られていたのに、 市井の民たちは、細く醜く作られていて そのギャップの激しさに、民の嫉妬や恨みが感じられ、 怖い。。。 原作の「源氏物語」が表面とすれば、 この展覧会で表現されていた「源氏物語」は それの裏面って感じでしょうか。 なかなか不思議で、 文学「源氏物語」の域を超えて(別個のものとして) 人間の本質をよく表していた?展覧会だったんじゃないかと 思いました。 追:私が鑑賞した時に、内海さんご本人が来られていました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/10/13 12:37:01 AM
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