カテゴリ:美術・芸術・展覧会
今日は、再び東京での出来事編。
今日のテーマは、国立西洋美術館で開催中の 「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」について。 * 思いのほか、フェルメール展を 早く鑑賞し終わったので(11/30ブログ) さて、この次、どうしよう・・・ 公園の大噴水前でアンコウ鍋を食べながら、私は しばし考え込んでしまいました。 地図も電車の路線図も ガイドブックもなんにも持ってきてないからなぁ~ 東京、どこに何があるのかわかりましぇん じゃ、しゃ~ない、 すぐ横の国立西洋美術館にでもいくか~ で?誰の展覧会やってるの? ヴィルヘルム・ハンマースホイ??? しらねぇな~ * ということで、この展覧会をリーフレットから 抜粋してご紹介。 ヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864-1916) デンマークの画家。 生前、ヨーロッパで高い評価を得たものの 没後、急速に忘れ去られる。 ところが、近年になって再び脚光を浴び出し、 パリ・ニューヨーク・ロンドンを魅了し、 いよいよ、東京へ。 今回のこの展覧会が、日本で開催される初の 彼の本格的な大回顧展となる。 彼の作品は、フェルメールを思わせる写実的な 室内表現が特徴的。 彼は、妻のイーダを繰り返し描いてきたが そのほとんどが後ろ姿。 そのイーダの後ろ姿は、鑑賞する私たちを 画中へと誘ってくれるが、 その静かな背中は「招かざる客」のような不安も 我々に与えてくる。 静かな、静かな、音のない絵を描き続けた ヴェルヘルム・ハンマースホイの不思議な世界を とくとご覧あれ。 * 期待せずに入場しましたが、 なかなか良い展覧会でした * 紹介文の通り、 本当に本当に静かな絵。 フェルメールの絵とは、また違った静けさでした。 フェルメールの絵は、 鑑賞者を受け入れた上での「静」 つまり“音”の世界の「静」 一方、ハンマースホイの絵は、 鑑賞者を拒んではいないけれど、 決して、受け入れてはくれない「静」 つまり、“音”だけでなく“精神性”においても「静」 追っても、すがっても ハンマースホイの絵には、 私は受け入れてもらえない。 彼の絵には、私は一切、目に入らない。 彼の絵は、彼独自の世界が確立していて 私の色が染まることを一切望んでいない。 寂しがり屋の私は、絶対に 好きになってはいけない相手。 だけど、気になる。 受け入れてくれないから、気になる。 私は、必死で、彼の絵の“心”を ノックする。 「心を開いて。気持ちを見せて。私を受け入れて。」 展示されていた約80点の彼の作品にノックし続けたけど、 でも、結局、 どれにも私は、受け入れてもらうことはできませんでした(/_;) けど、決して「冷」ではないんです。 彼の絵の雰囲気は、あくまでも「柔かつ優」 しかし「壁」 鑑賞し終わった後、 なぜか「失恋」した気分になってしまった、 珍しい展覧会でした。 * 最近、どこかの新聞に書かれていた、 「沈黙は最大の自己防衛」 という言葉。 新聞には、どこかの某首相を皮肉って 書かれていたのですが(笑) この言葉、ハンマースホイの絵に ぴったり当てはまる言葉でした。 彼は、自分の心を閉ざし沈黙を通すことで 「自分」を守った画家さんなんだろな、と 思いました。 それが絵にも表れているように思いました。 ラテン系気質の私には、 全く理解できない世界なんだけど、 それだから逆に気になる存在なのでした。 思わず、図録を買っちゃった * この後、常設展も鑑賞。 う~ん、いい美術館。 好きになっちゃった。 ここには、また来たいな。 ↑ ロダン・地獄の門 ヴィルヘルム・ハンマースホイ展 ~12/7まで 国立西洋美術館 HP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/05 08:15:10 AM
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