カテゴリ:美術・芸術・展覧会
ここ数日、神戸方面の電車に乗ると、
マスクをしている人が急増。 車掌さんも、マスク姿。 皆、危機意識を持っておられて「すごいわぁ」 と、人ごとのように思う私は、 完全に危機意識欠如ですね(^_^;) * さて、今日は、書きたまった美術展感想のうち、 まだ開催されている展覧会2つについて、 サクッと感想を書いておきます。 「イタリア美術とナポレオン展」 展覧会概要: ナポレオン1世の母方の叔父が収集したコレクションを基礎とし、 設立された「フェッシュ美術館(仏領コルシカ島)」。 フランス国内においてルーブルに次ぐ、 イタリア絵画コレクションを誇る。 今回の展覧会は、このフェッシュ美術館に収蔵されている約80点の 作品を展示するもの。 目玉は、ボッティチェッリ初期の作品「聖母子と天使」 (日本初公開) こじんまりとした地味な展覧会ではありましたが、 なかなかよかったですね。 ただ、展示作品一覧がなかったことが残念。 一覧がないと、何が展示されていたか、 後でわからなくなるんだよなぁ~ 印象に残った作品: ボッティチェッリ「聖母子と天使」 優しい色使いと暖かい雰囲気がいい感じ。 見ているこちらまで「愛・幸福」を感じる。 絵上部にクリスマスリースような絵柄が描かれているのが、 この絵に更に愛らしさを加えていた。 ジョヴァンニ・ベッリーニ「聖母子」 幼子キリストを抱いた、聖母マリアの慈愛に満ちつつも、 どこか不安気な表情にひかれる。 「母」とは、常にわが子のことを心配している存在なんだと思った。 ジャンヌ・エリザベート・ショーデ 「皇帝の胸像を抱えるレティティア・ミュラ」 大切な皇帝の胸像を遊び道具?にしようとした 子供を描いた作品。 悪戯を見つかった子供の、ちゃめっ気ある表情が、 かなり可愛かった。絵ハガキ購入。 フランソワ・ジェラール「戴冠式のナポレオン1世」 戴冠式を迎えたナポレオンの堂々たる姿を 見事に表現した作品。 衣装の素材や、ナポレオンの人間性などが、 きっちりと描き出されていた。 静物画群は、全体的にイマイチ。 ただ、絨毯を描いた作品だけは、 ちょっとだけ気になる。 絨毯だけを執拗に(丁寧に)描いていて、 まるで本物がキャンバスの中にあるような感じを受ける。 「イタリア美術とナポレオン展」 ~5/24まで 京都文化博物館 HP * 「杉本博司 歴史の歴史展」 展覧会概要: 写真家・杉本博司さんが 自分自身の芸術表現のために収集したサンプルと、 そのサンプルたちからインスピレーションを受けて?撮られた、 彼の作品(写真)を展示するもの。 サンプルは、5億年以上前の「化石」から始まり、 月の石や、縄文時代の土偶、レンブラントのエッチング、 アポロ宇宙船の宇宙食、隕石、エジプトの「死者の書」の断片、 杉田玄白他「解体新書」初版など、 よくもまぁ、個人でここまで集めたよなぁと 思わせるコレクションばかり。 一見、統一性がないように思われる これらコレクションだけど、 杉本氏いわく、収集キーワードは「歴史」とのこと。 「歴史とは生き残った者が語り継ぐ、勝者の歴史に他ならない。 語り継ぐ者のいなくなった敗者の歴史は、遺物となって その内に閉じ込められ、私に何かを語りかけてくる」 (展覧会作品解説リーフレットより) 印象に残った作品: 能面群(鎌倉~桃山時代) お能の面って、不思議。 ひとつのお面なのに、 泣いているようにも見えるし、笑っているようにも見える。 心に邪心を抱えているようにも見えるし、 逆に純真そのもの表情をしているようにも見える・・・ その奥深さが、ここ最近、私の心をとらえて離さない。 瑠璃の浄土 (ガラス玉:古墳時代 経箱:室町時代) 古代ガラス玉(青色)を経箱に入れて、 下からライトを当てた作品。 暗い展示室の中、そこだけがぼんやりと青く輝き、 「浄土」という言葉がぴったりくる作品。 A級戦犯顔写真・歴代タイム誌(昭和) タイム誌の表紙を並べて展示するだけで、 その時代の歴史が一目でよくわかるってことがよくわかった。 A級戦犯の顔写真(サイン付き)、 よくもまぁ、こんなの個人で収集したよなぁ~と思った。 これぞまさしく歴史か。 展覧会名「歴史の歴史」・・・ 展覧会に、この名前↑を付けたのが、 わかったような、わからなかったような・・・ 一体、私は何を鑑賞しに来たんだろうかと 一瞬わからなくなってしまうような・・・ もしかして杉本さんのコレクション自慢を 見せつけられただけ・・・?! いや、普段なかなか見られない貴重なものを 見ることができたよな・・・ と、鑑賞している方も 色々と揺り動かされる?不思議で、ある意味 面白い展覧会でした。 BRUTUS特別編集 杉本博司を知っていますか? 「杉本博司 歴史の歴史展」 ~6/7まで 国立国際美術館 HP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/05/18 12:30:17 AM
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