カテゴリ:美術・芸術・展覧会
今日は、先日訪れた
「THEハプスブルク展」について。 女性が好みそうな企画なので、 行列が出来ているかと覚悟していましたが 思いのほか混んでおらず、ラッキーでした。 【展覧会概要】~京博HPより~ 600年以上にわたりヨーロッパを治め、 芸術を愛好したハプスブルク家の栄華をたどる大規模な展覧会。 ウィーン美術史美術館とブダペスト国立西洋美術館の 選りすぐりの名画と工芸・武具は116件を数え、 これまでの日本の展覧会では質・量共に最高になります。 とくに明治天皇がフランツ・ヨーゼフ皇帝に贈った 100図からなる風俗・物語・花鳥図画帖と蒔絵書棚も、 初めて里帰り公開されます。 さすがハプスブルク家です。 ヨーロッパ随一の名門王家と呼ばれるだけの 豪華で贅沢な展覧会でした。 著名な画家の作品が至る所、 静かに地味に展示されていて、 その当り前さに、こちらも 本当にあの有名な画家の作品なの?(例えば、ラファエロ)って 確認し合う位でした。 いいなぁ~ こんな名画家たちの名作品を自分たちのものとして 保有していたなんて。 以下、印象に残った作品の一部をご紹介。 ・<白衣の王女マルガリータ・テレサ>ベラスケス ベラスケス工房が、王女マルガリータを描いた6作品?のうち、 これで5作品を観たことになります。 今回のマルガリータは、 彼女の5歳の時を描いた作品で、 可愛らしさが上手く表現されていましたが、 それよりも私が気にいったのは、おなじベラスケスが描いた <皇太子フェリペ・プロスペロ>です。 こちらの作品は、中野京子さん著「怖い絵3」(2009/10/12ブログ)でも 紹介されていましたが、 こんなに早く、実際に見ることができるとは 思ってもいませんでした。 こちらは、少しぼやけた感のある先程のマルガリータとは違い、 くっきりした筆遣いで描かれており、 王子の聡明な凛々しさがリアルに伝わってきます。 しかし、 居場所がすぐにわかるようにと取り付けられた鈴や、 「怖い絵3」で解説されていた、 スワドリングと呼ばれるおくるみなど、 色々な物に拘束されて育っておられることがわかり、 何だか可哀そうな気になりました。 結局、この王子は早世されちゃうんですよね。 ・<神聖ローマ皇帝ルドルフ2世>ハンス・フォン・アーヘン この作品、最初、絵の題名を見ずに鑑賞し、 “アルチンボルドのルドルフ2世に似ているなぁ~”と思ったら、 なんと、本当にそのルドルフ2世! 展覧会内の解説に、 “ハプスブルク家の肖像画は、 モデルを美化せずにありのままを描いた作品が多い”というような ことが書かれていましたが、まさにこの絵もそんな感じの絵でした。 瓜のような縦長のお顔に ハプスブルク家の特徴?である受け口。 とても美男子とは呼べない。。。 正直すぎませんか?(笑) こんな絵を画家が描いても大丈夫だった ハプスブルク家の懐の深さに驚きです ・<11歳の女帝マリア・テレジア>アンドレアス・メラー& <オーストリア皇妃エリザベート>ヴィンターハルター この2作品、以前にもどこかの展覧会で お見かけしたことがあるのですが、 相変わらず華のある、お美しい作品たちでした。 特にシシィの輝きといったら その美貌を少し分けてくださいって感じでした。 しかし、この美しさも、彼女の人生を思うと、 どこか哀しさが漂っているようにも見えてきます。 その斜め前で、難しそうな表情をした、 旦那様のフランツ・ヨーゼフ1世の肖像画を観ると、 ますます切なくて。 堅いよ、堅いよ、ヨーゼフさん。 彼が、も少し肩の力を抜いた人生を送れたなら、 自由人で精神の世界に生きたシシィと上手くいったのかもしれないなぁと 肖像画を見比べながらも、思いました。 THEハプスブルク展 ~3/14まで 京都国立博物館 HP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/02/28 03:59:28 AM
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