カテゴリ:美術・芸術・展覧会
日本人の多くが大好きな画家、ルノワール。
その展覧会が、今、国立国際美術館で開催されています。 今日は、そのことを。 * 私、ちょっとひねくれていて、 ルノワールのこと、好き好きってわけじゃない。 いいなぁ~とは思いますが、 時々「え?」とか「うん?」とかいうのがあって、 そのせいで「好き」って言いきれない。 今回の展覧も、 ずっと見ていたくなるような美しい作品から、 これは・・・という作品まで、玉石混淆。 この、全作品完璧!とは言えない、 肩肘張っていない描き方(生き方)が彼の魅力の 一つなのかなぁ。 * 会場は、入場制限はできていないものの 予想通り、激混み。 皆、一つ一つ丁寧に、絵に近付いて 鑑賞されている為、流れが非常に悪い。 絵を一番前で鑑賞しないと もったいないとばかりに押し合いへしあい? けど、私が思うに 彼の作品は、少し離れて見た方が 色彩が融合して絡み合い、より綺麗に見えると思うんです。 最初は、ざっと離れたところから絵を鑑賞して 色彩美を堪能。 そのあと、絵のまん前に行き、細かなところを確認。 そして最後にもう一度、離れたところから見て 全体の美を目に収める。 鑑賞に時間がかかるけど、この3往復鑑賞パターン?が ルノワールの作品をよりよく見せるんじゃないかと思うんです。 絵に近づいて目の前で見ることだけが全てと思っているのは ちょっともったいないような気がします。 * 以下、気に入った作品をいくつかご紹介。 ・イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ) 【美術品クラスの美しさを】ジクレ版画 ルノワール 「イレーヌ・カーン・ダンヴィル嬢」 これは、今回の目玉作品だけあって 本当にきれいでした。 色も構図も 文句なしの素晴らしさ この作品なら、何時間でも鑑賞できそうな気がします。 こちら、大阪展のみの出展だそうで、 見られてラッキーでした ・ジュリー・マネの肖像 私が好きな画家“ベルト・モリゾ”の娘さんを描いた作品。 描きかけ?未完成?と思わせるような作品ですが、 それが逆に、愁いあるジュリーのお顔に合って とっても魅力的に仕上がっていました。 絵ハガキ購入。 この作品、マルモッタン美術館所蔵。 モリゾの作品も多く所蔵されている、 この美術館に実際に行ってみたいなぁ。 ・縫い物をする若い女 絵全体から感じられる、すみれ色がとても美しい作品。 ルノワールって、 「花」をとても美しく描く画家さんだと思うんだけど、 この作品も、手前に描かれた女性より 背景の花束がぱっと目に入ってきました。 さすが装飾画家出身だけありますね。 色彩の美しさ、絵全体から感じられる柔らかさなど こちらもずっと見ていたくなる作品でした。 ・レースの帽子の少女 F6(41.0×31.8cm)ルノアール(ルノワール「レースの帽子の少女」 この作品、以前どこかの展示会で見たことがありますが、 やっぱり可愛いなぁと思いました。 素晴らしい作品は、何度見ても、 やっぱり「いい」ってことですね。 * 彼の作品って、とげとげしさが無くて イメージとして全体的に“丸”を描いているって感じ。 このとげの無い“柔らかさ”が皆から好かれる理由で、 絵から「幸福感」さえ感じられます。 この絵に表現されている「幸福感」が、 画家自身も、苦労のない人生を送ったんだろうなぁって 思わせるのですが、 意外と、芽が出るのが遅かったんですね。 加えて、早くからリウマチにかかったようだし。 それを苦労だと思っていなさそうなところ?が また、彼の魅力でもあるんでしょうね。 * ルノワール展 -伝統と革新- ~6/27まで 国立国際美術館 HP ※ポーラ美術館の「ルノワールの緑研究」も興味深かったです。 初期:エメラルドグリーン50歳頃以降:ヴィリジアン(迷いない描き方) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/06/12 02:30:03 PM
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