カテゴリ:美術・芸術・展覧会
今日は、今更シリーズの中から
5月末頃に行ってきた「レンピッカ展」のことを。 5ヶ月ほど前のことをUPって ホント、今更(笑) * タマラ・ド・レンピッカ。 以前、書籍「迷宮美術館」の第4巻か、第5巻に、 彼女の絵が、マリー・ローランサンの絵と比較されている記事を 読んだことがあります。 それ以来、 ずっと気になっていた画家さんなのですが、 彼女の作品が展示されている展覧会って 本当にない。 だから、彼女の作品が一堂に展示される美術展が 開催されると聴いてからは、 楽しみで、楽しみで。 会期始まってすぐに 観に行ってしまいました 【レンピッカ アートポスター】緑のドレスの女(406×508mm) いやぁ~。 実に良い。想像していた以上に良い。 特に、彼女自身にパワーがあった時の絵が かなり良い。 ピカイチは、やっぱり 「緑のドレスの女」。 この絵が持つ 「かっこよさ」に、完全に惚れてしまいました。 描かれた女性の表情(目力・肉厚の唇等)、 体のライン、構図、色づかい、洋服のデザイン・・・ どこを取っても、 はち切れんばかりの魅力が放たれています。 この絵に多く使用されている「緑」色。 緑が、こんなにもセクシーで それでいて男前で、力があるんだってこと、 この絵を観るまでは、思ったことがありませんでした。 私の中の「緑」=“平和”ってイメージを 完全に覆してくれた作品でした。 レンピッカ・「タデウシュ・ド・レンピッキの肖像(未完成)」プリキャンバス複製画・ギャラリーラップ仕上げ(F6サイズ) この作品、未完成ってなっていますが、 敢えてそうしたそうです。 これは、離婚した彼女の夫を描いた作品なのですが 結婚指輪をしていた左手を描かなかった。 描きたくなかったというのが 正直なところかもしれませんが、 こうすることで、 絵にストーリーを持たすことが出来ました。 未完成なんだけど、完成した作品。 心憎い、演出?ですね。 * ワルシャワの良家に生まれ、 美貌と才能にも恵まれ、 何不自由なく満ち足りた人生を歩んできた彼女ですが、 人生の中頃に、うつ病に苦しめられることになります。 それに伴って、 彼女の画風が変わってきます。 人生前半までは、 傲慢さが表れた、力のある絵を描いてきた彼女ですが、 うつ病に罹ってからは、 「生きていくことの“苦悩”」が 絵に表れてくることになります。 この苦悩時代に描かれた作品の中で 印象に残ったのが、 「修道院長」。 この作品は、女子修道院長が2粒の涙を流している瞬間を 描いたものですが、 私は、この涙に、ぐっと惹かれてしまいました。 人生の前半で、 あんなに挑発的な絵を描き続けていたのに、 この涙は、なんて弱々しくて内省的なんでしょう。 この時期の彼女、 本当に苦しかったんですね。 この涙を描くことで 彼女は、自分の苦しみを吐き出したかったのだと 思いました。 この苦悩時代以降、 彼女の絵からは刺々しさが完全に無くなり、 最後の方は、厚くざらついた作品を描くまでに。 人生前半期に描いていた、 幾何学的な作品とは、まったく正反対。 ここまで、画風を変える人も 珍しいんじゃないかなぁ。 * 久しぶりに、図録購入してしまいました レンピッカ・「サンモリッツ」プリキャンバス複製画・ギャラリーラップ仕上げ(F6サイズ) レンピッカ・「キゼットの肖像」プリキャンバス複製画・ギャラリーラップ仕上げ(F6サイズ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/10/09 11:36:44 PM
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