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シングル母のアメリカ暮らし

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さく408

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2004.05.29
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アメリカの年度末は6月である。
6月は学校が終業する月であり、別れの季節でもある。
今日は次男の通っていたプレスクールの、イヤーエンドパーティだった。

この小さな小さな場所との付き合いはもう長い。
長男が3歳の時からだから、もう5年になる。
普通の一軒家でお庭とダイニングと一つのお部屋を開放してプレスクールにしてある。といっても子供も6人だけの本当にこじんまりした学校だ。

私がシュタイナー学校に息子を入れたのも、そもそもこことの出会いがあったからである。手作りの木のおもちゃ、色々なかごに貝殻や松ぼっくり、木切れなどが入っていて、草木染めのシルクの布で部屋が飾られている。
何だかその空間だけが切り取られた絵のようだった。

息子がそこへ行き始めて、目の覚めるような事が多かった。
子供という存在をこんなにも大切にしてリスペクトしている人に、今まで会っただろうか。変に褒めたりおだてたり叱ったりしなくても、子供はちゃんとどうすればいいかを自分で知っているんだな。そういう事を気づかせてくれた人だ。(だからって実行できているかどうかはまた別の話です)
彼女が父兄に注意したのは見た事あるけれど、子供を叱った事は一度もない。
なのにいつも威厳があって子供たちはよく言う事を聞くのだ。

長男がキンダーガーテンに入り、やがて次男もプレスクールに行き始めた。以前は親子のプログラムもあったので、次男は3ヶ月の頃からずっとそこに行っている。彼の一部はそこで育ててもらったようなものだ。
だから私たちが離婚する事になって、いよいよ月謝を払って行く事が難しくなった時、この子をここに通わせられないんだなと思って何だかとっても悲しかった。彼女に「経済的な事情から、たぶん今月いっぱいでやめると思うので、代わりの子を入れてあげてください」と頼んだのは1年半前の事。
その時に「そうね、その話は来週にでもしましょうか』と言われたのは覚えている。

2日後にメールが来た。こんな内容だったと思う。

私の学校では、あなたの家族を経済的にサポートするつもりです。
あなたは月謝をまったく払わなくてもいいし、ある時に払えるだけ払ってくれてもいい。これはコミュニティとして正しい事、すべき事だと判断したので、あなたはこの決定をどうか気にやまないでください。
それよりもむしろ、A(次男)を今まで通りここに来させて、(離婚による)環境の変化を一つでも減らしてあげてください。彼がここに来てくれる事はこの学校にとっても大切な事なのです。」

もう最後の方は泣けてしまって読めなかった。
彼女のご主人はレイオフになってからずっと仕事がなくて、彼女の月謝の収入だけでやって行かなければならなかったはず。自分たちだって大変なときだった筈なのだ。

それから1年半、いつも彼女はAの様子を気にかけてくれ、夜も時々「今日はこんな事があったけど』「最近様子がこうだけど」というような電話をくれた。私もがんばって仕事してできるだけ払えるように努力したが、経済的な事だけではなく、精神的にもどれだけ支えてもらったかわからない。

今日のパーティはポットラックで、おしゃべりをしながらご飯を食べ、その後皆が思い思いの「芸』を披露した。チェロを弾くお母さん、笛をふく親子、ギターを鳴らしながらフランスの歌を歌うお父さん。最後にお別れして行く3人の子供とお母さんたちにプレゼントが与えられ、私たちからも先生にプレゼントやカードを。

私は5年間本当にお世話になったこの特別な場所を、少しでも目に焼き付けておこうと一通り見渡しながら、部屋を後にした。

外には、そのプレスクールの名前の象徴になっている、大きなマルベリーの木があり、子供たちが木に登ったり、草の上に寝転んだりして待っていた。
いつの間にか私たちが最後になってしまったのだ。

「じゃあ、いこうか」と次男の手を取り、パーティについてきた長男を促し、車の方に向かおうとすると、先生が次男に「車まで一緒に行こうか」と言ってくれた。私の前を歩く二人の後ろ姿が何となく寂しいものに感じられたのは、私自身が寂しかったからだろう。

先生が「じゃあね、A、グッナイ。」というと次男はひとこと「ばいばい。』と言って車にさっと乗り込んでしまった。私は言いたい事が一杯あったけど、ありすぎて却って何も言えなかった。

きっとここで過ごしたいろんな時間や思い出は、子供たちの心の片隅に何かの形で残るに違いない。こんなに素晴らしい時間や空間を何年ももらい続けてきたのだから。そして多分私もここでの5年間を一生忘れないと思う。


今日の夕食:
ポットラックディナー、私の担当はデザート(ピーチコブラー)






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Last updated  2004.09.30 20:54:36
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