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2004.08.17
カテゴリ：楽しい出会い
はじめて息子を歯医者に連れて行ったのは、
彼が３歳になったある日のこと。 人に名前を教えてもらった、ある日系の歯科医のところに連れて行った。 小児歯科によくあるようなおもちゃがいっぱい、 お魚がいて、ビデオがあって、楽しい雰囲気。 待っている間、長男は嬉しそうに遊んでいた。 受付の人や看護婦さんもそう悪い雰囲気ではなかったけど、 乾いた笑顔で診察室に入ってきたその歯科医は、 目つきもあまり良くなく、何だかイヤな予感がした。 その予感は大当たり。 嫌がる長男を無理矢理椅子に座らせ、 口を開けて、との強い要請に、 手を口に当てて一生懸命開けないように頑張っていた長男へ 「You need corporate」 とすごんだ歯科医。 あ、こりゃダメだ、と内心舌を打つ私。 結局無理矢理口をこじ開けて、 中をチェックし、 「虫歯はないね。今日はクリーニングできそうもないから、後日また来て」 と不機嫌そうに言われた。 誰が来るか、と思いつつ、支払いにいったら 請求書はあとで送るとの事。 後から来た請求書を見て驚いた。 ９５ドル。 たった１－２分、口の中をチェックしただけで、 ９５ドルかよ。 何たる暴利。これでますます、「二度といくもんか」の決意は しっかりと固まった。 その頃、やはり友人に紹介されて７年ぶりに行った私の歯科医が とても親切だったのを思い出し、 電話して子供の患者をを受け付けるかどうか聞いてみた。 受付嬢によると、その先生、ドクターDはファミリーデンティストで、 とても子供あしらいがうまいので患者の２５％以上は子供だと言う。 ホっとして早速予約を取った。 以前にも行ったから知っていたが、 小児歯科のようにたくさんのおもちゃや本があるわけでもなく、 待合室のすみに申し訳程度にパズルが置いてある程度。 でもたいして待たされずに中に入った。 ドクターDは息子を見た途端、 「へーイ、名前はなんて言うんだ？会えてうれしいよ」 と笑いながら大きな声でいい、 もじもじとかくれていた息子に言葉たくみに次々話しかけた。 だんだん息子も打ち解けてきて、ポツポツと返事をする。 いつの間にかあれほど前回いやがった診察台の上に 自分からよじ上った。 驚いた私に先生はウィンクしている。 そしてまず口を開けさせようとはせずに、 息子の手であそんだ。 爪を歯に見立て、話しかけながら もっていたえんぴつで爪をチョンチョンとつつき 「痛いかい？痛くないだろ？お口の中もおんなじさ。全然痛くないよ」 それから時間をかけて爪にブラシをかけたり、 ポリッシュの機械をかけたりして遊んでた。 「あ、そうだ、歯は何本生えているんだい？ちょっと数えさせてよ」 と言ったとたんに、息子はおおきく口を開けたのである。 奇跡だった。 前回あれほど口を開けさせるのに手こずったし、 ドクターDも「嫌がったら無理にさせなくてもいいよ」と言ったので、 今日は口の中を診てもらえなくても仕方ないと思っていたが、 私の目の前で息子はあんぐり口を開けて、歯の数を数えてもらってた。 実際はその時に虫歯をチェックしてもらっていたのだが。 その上とうとう、ポリッシュまでしてもらったのである。 うーん、これこそプロだ、と私は舌を巻いた。 息子は上機嫌で、歯ブラシとシールとおもちゃをもらい、 「今度はいつ来るの？」なんてドクターDに聞いている。 しかもそれだけ時間をかけて（時間にして４０分くらい） やってもらって６５ドル。（９９年当時） どこかの短気な歯科医とは雲泥の差だ。 受付嬢に、「彼はすごく子供あしらいがうまいね」といったら 「でしょう。まるでマジックよ。皆びっくりするわよ。 大人向けなのに、子供の患者も増えていくのよね。」と誇らしげだった。 以来５年間、うちは二人の息子ともどもこのドクターDにお世話になっている。 そして歯科医で手こずったという友人を４家族くらい紹介したが、 今のところはみんな気に入ってくれている。 クリニックの環境（ビデオやおもちゃ）ももちろん子供の心をくすぐる 大事な要素だが、何といってもドクター自身の腕前や、 患者に対する姿勢が伴ってなかったら、何にも機能しないのだ。 うちの長男は最初の歯科医の部屋で目を輝かせて遊んでいたが、 その後は二度と行きたがらず（私もだけど）、 地味で何にもないドクターDのところには、今でも喜んでいくのだ。 歯医者に定期的に通い、歯の手入れをするってことは 大切な習慣だと思う。 その習慣を身につけるためにも 良い歯医者を選ぶ事は大切だ。 ドクターDには、会えて良かったと本当に思っている。 本日の献立： チキン手羽先のBBQソース煮、ペンネのペストソース和え、 ゆでいんげん、ビーツの葉っぱのニンニク炒め、いちごとバナナのスムーシー お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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