「正欲」の原作は読んでいない。
正欲 (新潮文庫) [ 朝井 リョウ ]
ちょっと重そうだったので。
同じ理由で映画も観る気はなかったのだが、娘に誘われて、観ることになった。
群像劇だ。
不登校の息子がいる検事、寝具売り場で働く未婚女性、結婚式に出席したことで彼女と再会した男性、接触恐怖症の女子大生、そして、なにか秘密を抱えている男子大学生。
それぞれが自分の居場所を求めてもがいているうちに、いつしか交錯していくことになるのだが…
最後の逮捕の理由が弱い気がしたが、この逮捕がなければ、運命共同体の二人の正しさを伝えるすべはなかったかもしれない。
出演者は、皆、好演していた。
新垣さんのすべてをあきらめた洞のような表情が印象的だった。
磯村さんは、何食べのジルベールと同一人物とは思えない。毎回別人のように見えるので、憑依型の俳優さんなのかなと思う。
稲垣さん演じる検事のような人が多数だと思うが、自分の常識を疑うことが初めの一歩かもしれない。
いい映画だった。