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2009年04月21日
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カテゴリ:経済

ワーキングプア 解決への道(4) NHKスペシャル「ワーキングプア」取材班
2008年7月11日 ポプラ社 発行

実は「ワーキングプア」の問題は、日本だけの問題ではない。日本よりも早く構造改革や規制緩和を推し進めた欧米の国では、すでに1980年代から健在化し、「ワーキングプア」という言葉も、その頃から使われていた。それが今、経済のグローバル化とともに、日本をはじめとする各国にも飛び火しているのだ。

模索する現場 ~日本

日本のワーキングプア対策を探して
日本における所得保障の貧弱さと、社会的孤立の問題。この二つの解決策のヒントが、釧路市の取り組みの中にあるという情報をもとに、私たちは現地に向かった。それは「今ある制度」、つまり生活保護制度を活用したもので、市民の協力を得て、孤立する人たちを社会に取り戻そうという試みだという。

最後のセーフティネット 生活保護
千人当たり40人を超す釧路市の生活保護受給者の割合は、全国平均の3,5倍で、10年前の釧路市のデータと比較しても2倍近くに急増した。特に、市の経済を支えた太平洋炭鉱の閉山後、増加が目立つ。

働くことと、生活保護による所得保障を受けることは、どちらかしか選べないものではない。むしろ社会保障の役割から見れば、この二つを両立させるのはごく当然のことだ。こうした基本原則に立った上で、さらに貧困の本質にまで踏み込んでいこうというのが、釧路市の取り組みだった。

「排除される人たち」を社会に取り戻す
釧路市の自立支援プログラムの特徴は、就職して生活保護から自立するもでに、対象者の状態に応じて、いくつものステップを設定したことだ。

ワーキングプア生活の末に生活保護の受給に至った人の中には、心身の不調で働けない人や、社会とのつながりさえ失ってしまった人もいる。こうした人にはいきなり就職を急がすのではなく、まずはボランティア活動から始めてもらう。これを釧路市では「中間的就労」と呼んでいる。人の役に立つような活動を通して「やりがい」や「地域社会とのつながり」を取り戻してもらおうというのだ。ボランティアの受け入れは、市内のNPOが担う。

働きたいけれども職がない。あるいは働いても収入が低くて生活できない人に対しては、所得保障とともに資格取得や職業訓練の支援を行って、より条件のいい仕事に就くための手助けをする。ボランティア活動を経験した人たちが、このステップに進むことも多い。

就職先も、まずは短時間のパートでもいいという考えだ。収入が足りない分は生活保護で補う。パートなら徐々に勤務時間を増やす。あるいはパートから正社員になるというように、ステップを徐々に上がっていって、その人のペースで自立を目指し、その間の最低限の所得保障はしっかり行う。この考え方が、釧路市の自立支援プログラムの肝である。

このプログラムが始まってから、収入の増加を理由に生活保護の受給を終える世帯が急増している。プログラム導入前の2002年度には62世帯に過ぎなかったが、2006年度には約二百世帯と、3倍を超えた。つまり、経済的にワーキングプアの状態から脱出できる人が増えたということだ。

市民が受け入れる社会的包摂の思想
自立支援プログラムにとってもう一方の当事者である、受け入れ側のNPOの存在も欠かすことはできない。2007年度には、受け入れ先のNPOは13団体にまで増えた。障害者施設や高齢者介護施設といった、言わば「福祉の親戚」に加えて、動物園や公園を管理する団体も加わった。

立ちはだかる限界
やっぱりボランティアは無報酬ですから、ボランティアを通じてやりがいを感じたり、自尊心が高まったりという部分は大事です。でもその先がない、仕事がないんです。皆さん、働きに応じた報酬を得て働きたいと思ってらっしゃるんです。これまでの職歴で得た技術も持っていらっしゃいます。でも、釧路の雇用状況では、一人に一つの仕事はない。まして今日ここに来ていらっしゃるような50代の方は、本当に仕事がないんです。

自立支援プログラムの導入を一層推進とは、一体何を指すのか。
生活保護から人々を「排除」せず、必要な所得保障をきちんと行う姿勢と、自尊心を回復させるような人間味のある支援とが、求められているのではないだろうか。

本当の自立を目指して
番組放送後の2008年2月、佐藤さんから手紙が届いた。
「お元気ですか?私も太陽も元気です。近況ですが、相変わらずというか、この先もしばらくワーキングプアのままになりそうです。正職員の道は今のところ厳しいらしいです」
収入は従来のままだが、諸事情から、3月で生活保護を終えることになったという。

「でも前向きに、人生お金じゃない。お金がなくても楽しく、夢を追いかけてみせます。私を見守ってくれたり存在を認めてくれたりする人がいる限り、私は存在していきます。頑張れば報われるという保証はない。でもどれだけそこを乗り越えて、楽しめるかが人生かな。つらい時は泣いて、そして笑える人生でいたい。ワーキングプアでも」

「私の人生にはいろんなことが起こる。でも乗り越えます。絶対に、太陽といつもでも幸せでいます」

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最終更新日  2009年04月21日 20時56分34秒
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