カテゴリ:誘水日記
選挙の一日だった。 ぼくは10月に引っ越しをしているので、 選挙権がないのかと思っていたが、 旧住所の甲州市民として参加することができた。 たかが一票だが、 自分の意思を表示する大事な機会だから、 きちんと票を投ずることができて良かった。 今回、 体も動かず、言葉も出ない人が、 投票できる道を拓いた人がいる。 鳥取の女性だ。 どうやって意思表示をするのだと不思議に思うが、 彼女は、 障がいある人が語り合える指談という手法を自ら学び、 地域で広めている人で、 その手法を使って投票することができたのだそうだ。 彼女の身内に障がい者がいたかどうかは忘れたが、 その情熱、行動力には頭が下がる。 彼女の知り合いに重度の障がい者がいて、 その方が指談で投票することができた。 どうやったのか。 Facebookで聞いてみた。 そしたら、 選挙管理委員会の人に、 障がい者の人が指で書く〇と×を読み取れるように、 レクチャーをしたのだそうだ。 指談は、 障がい者の指を読み取る人が手に取り、 自分の手のひらに、 〇か×かで意志表示をしてもらうのが基本。 イエスかノーで答えられえる質問をする。 「お腹がすいていますか?」 イエスなら〇を、ノーなら×を書く。 ほんのわずかな動きだが、 練習するうちに、 わかるようになる。 この方法を投票でも使った。 〇×よりももっと簡単でいいと思う。 立候補者の名前を伝え、 投票したい人の名前を言ったときに、 指でイエスの意思表示をすればいい。 指を動かすだけでもいい。 何人かの読み取り手がいて、 何度か繰り返せば、 正確に意志がわかるはずだ。 どうやったのかはよくわからないが、 すごいことだと思う。 障がい者、特に重度の障害があると、 言葉も意志もないと思われてしまう。 だれに投票するかという意志決定などできないと決めつけられる。 しかし、 福祉政策など、 彼らは当事者だ。 彼らの意志を大切にするのが、 本当の民主主義だろう。 しかし、 彼らの意志を確認する方法がなかった。 その道を、 彼女は切り拓いたのだ。 簡単に「わかりました」と言ってもらったわけではないだろう。 何度も何度も説明して、 やっとわかってもらって、 快挙にこぎつけた。 地方に住む無名の主婦が、 自分の信念を貫いた結果の、 まさにハチドリの一滴であり、 アリの一穴だ。 ぼくは、 彼女にノーベル平和賞を授与したいよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024年10月28日 18時01分22秒
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