ヤギーずのために芋のツルを集めるのが今の日課
「芋のツル、いるけ?」近所のおばあちゃんが声をかけてくれる。取りに行くと(甲州弁だと『もちに行くと』かな)、「隣の畑もくれるから」声をかけてくれたようだ。あちこちで芋を作っていて、そろそろ収穫時。畑を回ると、働いるのはぼくよりも高齢の人ばかりだ。88歳で耕運機を使っているのもびっくりだし、80代で軽トラを走らせている人はいくらでもいる。去年は90歳を過ぎたおばあちゃんが、芋のツルやら大根の葉をくれた。このおばあちゃん、体調を悪くして入院しているというから、ちょっと心配だ。大量に出る芋のツルは、全部廃棄する。山だったり畑の端だったり、重いから運ぶのが大変だ。だから、ぼくのように持ち帰ってくれる人間がいると、喜んで声をかけてくれる。ぼくはぼくで、ヤギーずの冬場の貴重な食糧になるので、とてもありがたい。近くの小学校でも、児童たちがサツマイモを栽培している。一昨年からもらってきている。学校側もありがたいらしく、教頭先生が「今年もよろしく」とあいさつに来てくれる。山や畑に捨てても、土に帰っていくわけだから、リサイクルされているわけだが、捨てるよりも、喜んでもらってくれる人がいた方がうれしいわけだ。ヤギーずのおかげで、環境面でも気持ちの上でも、いい循環が作り上げられている。芋のツルを大量に運ぶのは重労働。午前中にこの仕事をすると、午後はもうぐったり。だけど、ヤギちゃんためならエンヤコラでがんばっている。こんな生活になるとは思ってみなかった。