感覚を置いてけぼりにすると心身がアンバランスになる
あの人、嫌い。とか、こんなことしたくない。とか、仕事行きたくないな。そう思っても、頭では、「人を嫌ってはいけない」「したくないことでもがんばらなきゃ」「仕事は行かないと」と、嫌だという気持ちを打ち消そうとする。これが積み重なると病気になる。プラス思考がいっとき流行ったが、頭だけでプラスに考えようとするのはいかがなものか。嫌なものは嫌。そこを認めてあげないと、心の扉が閉まっていく。体と心の分離が起こる。しかし、現実生活の中では嫌なこともやらないといけない。そんなときは、まずは感情をしっかりと認める。こんなことやるの嫌だよね。でもね、今日だけは我慢してくれない。これが終わったら、思いっきりやりたいことやるから。心にそう言い聞かせて、本当に終わったら好きなことをやる。頭で考えていることが本心だと思ってしまうと、心が置き去りにされる。子どもに自分の価値観を押し付ける親のようなものだ。子どもは、ぐれてしまったり、引きこもる。「もう少しお金があったらなあ」心ではそう思っているのに、「いやいや、お金では幸せは買えないんだ。お金にこだわるのはみっともない」頭が否定する。そんな人も多いと思う。ぼくもそうだった。あるドクターがこう言った。「目の前に1億円積まれたら治る病気はいっぱいありますよ」心に正直になれば楽になれる。人を恨んだり憎んだり、悪口や愚痴を言いたくなったり、我欲に走ったり。そんな自分は認めたくないが、でも、だれでもネガティブと言われる要素はもっているもの。それを認めて、出来の悪い自分からスタートする。しかし、そこで止まっていてはいけなくて、一歩一歩成長していけるよう努力することだ。成長は徐々に。一足飛びに聖人になろうとするからおかしくなる。ぼくはたくさんの人に会ってきたけれども、だれもが、いい面もあれば悪い面ももっている。当たり前のことなのに、「この人は完璧だ」と崇拝してしまうからだまされる。そんなわけで、自分の感覚を大切にすることだ。自分に正直になる。今の自分と、なりたい自分は違うから。今を見ること。それから、先に目を向ける。