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本の足跡

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2006年12月30日
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カテゴリ:新書

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“死にたくないが、生きたくもない。”

評価:★★★★☆

 

『人生、終盤にさしかかれば、心身にガタがくるのは自然の定め。しかし、いまや六十になっても、なかなか「老人」と認めてもらえず、やれ「生涯現役」だ、「アンチエイジング」だと、世間は喧しい。」もう一花咲かせる気力や体力はもちろんないが、残り時間は、なるべく不幸せでなく埋めていきたい----そんなささやかな願いはどうしたらかなえられるのか?自らの老いの真情を吐露しつつ問う、枯れるように死んでいくための哲学。』  (裏カバーより)

文章から滲み出てくる著者の人間性がとってもいい。飄々としてて、どこか達観(もしくは諦観(笑))してる感じ。そこからは現在巷間で言われている理想の老人像とは大きく異なった老人感が読み取れる。

今は「元気な老人」「生涯現役」「若い者に負けない」・・・そういったことが求められている。また、それがよいことで、理想の老人の姿だと言われている。そのことに対して、著者は忌憚なく独自の見解を繰り出す。

一言で言えば、著者は「枯れるように死にたい」と言っている。生涯現役なんて勘弁。趣味を持てと迫らないでくれ。一人ボーっと年をとって死にたい。そう言っている。これってでも、とっても正鵠を射た意見かも。実際に著者は団塊の世代で、老人と言われる年齢にさしかかろうとしているだけに、やけに説得力があるし。

また、最近の顕著な健康ブームにも、著者は言及する。そんなに健康にばかり気を使い、長生きして一体何がしたいのか?今は、○○がしたいから長生きしたいなど、目的があって長寿を願うのではなく、ただ、長生きすることを目標に健康に異常なまでに気を使い、長寿を願う。それって何の意味があるのか?見苦しい悪あがきはやめたらどうか?と。

かといって決して現役並みに働いたりする人を否定してるわけでもない。目標があって生きがいを感じるならば働けばいいし、趣味に生きたい人は生きればいいと言っている。

でも、マスコミや社会の風潮に踊らされ、ひたすら健康でいることを目標にしたり、趣味を持たねばならないと必死になってカルチャースクールに通ったり・・・そういうのは何か違うんじゃないか?そんなに躍起にならずに、ゆったり枯れて行こうとではないか。

趣味に励み、生涯現役でがよしとされ、趣味も持たず、現役のように働きもせず、ボーっと老後を過ごす人=隠遁生活者がなんだか肩身の狭い思いをしなければならないのはなんかおかしくないか?と主張しているのである。

決して堅い読み物じゃなくってさくさくっと読める。とってもおもしろい。






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最終更新日  2006年12月30日 08時08分47秒
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