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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:は行 男性
評価:★★★★★
連作短編集。全4話。 --- 梗概 ------------- 病院で掃除夫のバイトをしている大学生の僕。バイト先の病院で最近密かに流れている噂。それは、『死が目前に迫った患者の前に、彼らの願いを一つだけ叶えるため現れる仕事人がいるらしい・・・』というもの。実はこの噂の仕事人が僕だったりする。とある出来事をきっかけに噂の仕事人をやることになった僕。死へ向かって着実に進んでいる人々が最後に願うこととは一体・・・? --------------------- これは・・・いいです!!単なる感動ものに終始せず、それプラスあっと驚くストーリー展開があるんですよね~(*´ー`)最終話読んだとき、それまでのストーリーとの繋がりに驚かされます。 きますね、胸に。つくつくっとキます。ほぅ~ε- (ー ` ) 病人、子ども、ペットを主人公にすると、どんな人でも簡単に感動ものを書けると私は思うんです。彼らを純粋で、清く美しく描いて、そして美しく死んでいく・・・そう描けばどんな下手くそな作家でも一応感動作になる。だからこの手のものを題材にするのはあんまり好きじゃないんですが・・・。 これは違うね~才能ないと書けない。命を題材にした単純なお涙ちょうだいものとは一線を画してます。すごい。 ありがちな奇跡ものでもなくって、患者は本人がいくら泣こうが叫ぼうが、周囲がいくら祈ろうが、確実に死んでいくのです。主人公はその死を目の当たりにして必要以上に嘆いたり、命の尊さを滔々と説いたり・・・そういった生ける者のおこがましさを全面に押し出すわけでもなく、淡々としてます。 特定の個人の死にスポットを当てているというよりは、死そのものがテーマなんです。そして、不可避かつ確実の死が迫ったとき人が何を思うのか。 自分だったら何を願うかな、と考えてみたんですが、死というものがリアリティを持たない今は、考えることは出来ても実感することはできないですねヽ(´~`;) いや~それにしても素晴らしい。かなり好きです。私はひねた人間ですので、単純な感動ものは好きじゃないし、かといってテーマが曖昧だとつまらない。こんな私でもとても考えさせられ、感動できました。よかったよかった(*´ー`) === 174冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年10月02日 22時07分01秒
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