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本の足跡

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2007年10月16日
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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:外人作家

最後の一壜

“最後の一壜”

評価:★★★☆☆

 

短編集。全15話。

だらだらと、読んではやめ、読んではやめを繰り返し早一年。やっと読み終えましたーー。

阿刀田高さんっぽいテイストの短編集です。人間心理を鋭くついたものだったり、ブラック・ユーモアがきいたものだったり。わりと好きな作風でした(*^m^*)

でも、個人的には作品のおもしろさにムラがあって、クゥーー♪(=´∇`=)としびれるものもあれば、え?(゜▽゜;) ってな具合の話も。まさに玉石混淆って感じかな?

そんな中で一番好きだったのは、『画商の女』。これおもしろかったです。あらすじは・・・

画家から安く絵を買い取り高値で売ってボロ儲けをしている画商、マダムラグリュ。

そのやり口とは、まず、売れない画家の絵を買い取る際、画家に見えないように紙に付け値を書く。次に、画家はこの付け値に言い値を合わせなければならない。付け値よりも言い値が高ければ交渉は不成立、その場で画家を追い返す、というもの。

この人間心理を巧みに利用した手法により、画家は常に、付け値を上回ることがないようにと意識し、最終的には低い言い値を言うことになってしまう。結果、マダムラグリュは大儲けすることになるのだ。

彼女の因業な手法で金を絞り取られ続けている画家の一人オトゥール。彼を愛したファティマは、愛する男に無体な取引を強いるマダムラグリュに復讐を決意する。その驚くべき復讐法とは・・!?

いや~これはよかった。ファティマの復讐法にあっと驚かされます。心理戦っていうか、そういう駆け引きが巧みでめちゃくちゃおもしろかったです。

ハズレも多いけど、当たるとでかい。ってなわけで、スタンリイ・エリンの他の作品も読んでみたくなりました(*´ー`)

そういや、この作者って、年に一作品しか発表しなかったんだってーー。ファンはさぞややきもきしただろうなー(笑)

=== 184冊目 読了 ===

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最終更新日  2007年10月17日 01時43分48秒



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