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カテゴリ:英語の本
“Roald Dahl's Short Mysteries” 評価:★★★★☆
ロアルド・ダール傑作短編集。全4話。 ラダーシリーズ。英語の本です。とは言ってもかなり優しい英語ですので中学生でも読めると思います。後ろに単語の意味も載ってますし。 さて本題。 おもしろいですっ!!阿刀田高さんっぽい。奇妙な味やらブラック・ユーモアやら。私のど真ん中ストライクでした!!それぞれ梗概は・・・ 『Man from the South』 プールサイドで、アメリカ人の若い男に南米系の老人がある賭けをもちかける。その賭けに、若者が勝てばキャデラックを、老人が勝てば若者の小指を差し出せというものだった・・・さて、この驚異の賭けの結末は・・・!? これはドキドキしました。どうなるの?賭けの結末は?気になって仕方がなかった・・・そういや阿刀田高さんの『ギャンブル狂夫人』っていう話もこれと似てたなーーダールの賭けのネタはライターで阿刀田さんはタバコだったけど。阿刀田さんの方もかなりいい味だしてて最高の話でしたよーー♪ 『Skin』 遠い昔、画家を目指すロシア人青年の絵に惚れ込み、自分の背中に彼の絵を彫ってもらった男。時はたち、すっかり凋落してしまい老いぼれた男は寒い冬の日、たまたま画廊の前を通り過ぎた。そこには若い頃惚れ込んだ画家の絵があった!!驚いた老人は思わず画廊に入って自分の背中の絵を人々の前にさらした。するとそれを見た男がある話をもちかける・・・。 かーーっ!!これもいい。阿刀田さんっぽい。ちょっと背筋が寒くなるような話です。いいね。 『The Way up to Heaven』 汽車、飛行機、船・・・こういったものに乗り遅れることが怖くてならないフォスター夫人。ある時、結婚してパリに住んでいる娘と孫たちに会うためにフランスへ行くことになった夫人。空港へ向かう車に、クラブへ行く夫も同乗することに。しかし夫は出発の準備に手間取り、ようやく出発しようとすれば忘れ物をしたという。夫人は飛行機に間に合うか気が気ではない。そんな夫人がとった行動とは・・・!? 読んでると、夫人と一緒になって夫の意地の悪さに腹が立ってしまいました(笑)夫は夫人がフランスに行くのが気に入らないらしく、わざと夫人をいらいらさせるのです。そしてついに夫人が・・・。おもしろい。女は怖い(笑) 『Mrs Bixby and the Colonel's Coat』 夫がいるにも関わらず、大金持ちの大佐と浮気を続けているビクスビイ夫人。彼女は、浮気相手の大佐から、手切れ金がわりに高級な黒いミンクのコートをプレゼントされる。あまりの素晴らしさにうっとりする夫人。しかし、これを家に持ち帰れば、夫にその出処を問われるだろう。さてどうしたものか。逡巡の結果、夫人が思いついたとてつもない作戦とは・・・!? これは思わず笑ってしまいました(笑)いいですねーー。物語の冒頭で、「アメリカ人女性は裕福で、アメリカの富の85%は女性が掌握している」、「女性は離婚や夫の死によってどんどん裕福になる。」ってな話がでてきます。そしてその象徴的存在として出てくるのがビクスビイ夫人なのです。 夫人はすごいですねーー毛皮のコートを夫に怪しまれないように手に入れるために奸計をめぐらすのです。この物語の前提として、女はマリーアントワネットのようだというのがあります。その女が奸計をめぐらした結果迎える結末は・・・。フフって感じですね。クスリと笑ってしまう。夫もなかなか罪なやつ。 でも、読んでると夫人も憎めない存在です。素直というか単純というか。ただ自分の欲求に素直なおバカさんなんですよね(笑) 他にもダールの作品を調べてたら、とあることに気が付きました。阿刀田高さんの作品にダールの作品と同タイトルのものがちらほらあるんです。そんでよくよく調べてみたら、どうやら阿刀田さんはダール好きなようで。 そういやテイストも似てるし、短編の妙手ってとこも同じだなーーと気が付きました。阿刀田フリークの私としては、ダールを読みあさるしかない(笑) ちなみに、『チャーリーとチョコレート工場』書いたのもこの人なんだってーー初耳でした。 === 193冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年09月04日 11時41分48秒
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