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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:光文社古典新訳文庫
評価:★★★★★
--- 梗概 ------------- リア王は今の地位を退くことを決意した。そして、すべての財産・役職を三人の娘に譲るという。その条件として、父であるリア王へ、どれほど自分を愛しているかを語らせることにした。長女ゴネリルと次女リーガンは舌先三寸で父への愛を滔々と述べた。その言葉にご満悦のリア王。そして、三女コーディリアからも素晴らしい愛の言葉を得ようとするのだが、コーディリアはリア王の思うような返答をくれなかった。それに激怒したリア王は、三女に一切財産を与えることなく、国外追放する。そして長女と次女とともに暮らし始めたのだが、二人の娘は父を蔑ろにするようになって・・・。 ---------------------- 言葉がないです。人間心理の描写が巧みすぎます。素敵なセンテンス盛りだくさんです。 リア王はバカですねーー。舌先三寸、立て板に水の愛の言葉にすっかりのぼせあがって、真実を見る目が濁ってしまってます。本当に父を愛しているのは、決して大仰な言葉で愛を述べたりはしない三女コーディリアのみ。それなのに、愛を口にしない三女には父への愛がないと判断してしまう。その結果、悲劇が待ち受けているのです。 私は常々思っているのですが、口がやけにうまい人、いいことばかり口にする人、こういう人は信用できないんですよねーー。黙して語らずがいいとは言いませんが、大仰におべんちゃら並べる人はダメですね。そういう人は誰にでも軽々にいいこと並べるんですよねーー。実が伴ってないことが多い。 愛の量を賛辞の量ではかろうというのがそもそもの間違いなのに、リア王はそれに気付かず。口数が少ないことは愛が少ないことだと思っちゃったがゆえに引き起こされた悲劇。ん~胸にぎゅっときます。 シェイクスピアは何度も何度も読みたくなります(*´▽`*) その度にまた新たな発見があったりして、読めば読むほど味がでるのがシェイクスピア♪ 余談ですが、私、光文社古典新訳文庫のシェイクスピアを集めてるんですが、一方ではちくま文庫のシェイクスピア全集も収集してます。・・・同じ本二冊買ってどうするんだ?と今更ながら疑問に思ってたりして(笑) まっ、訳者が違うから違う味付けを楽しめるからいいやと無理矢理自分を納得させている今日この頃です(笑) === 213冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月19日 16時30分30秒
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