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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:新書
“日本人の遺書” 評価:★★★★☆
人間が生きるとは、なんと悲しいものか。 遺書にすべて本心が書かれているかどうかはわからない。死に臨んでもそこにわずかな虚栄が混入していないとはいえない。書ききれなかった万言が放棄されたかもしれない。死に臨んだ気持ちに言葉が追いつくはずはないのだ。にもかかわらずそれは、読む者をなぜか粛然とさせる。生と死を取り替えた覚悟の言葉、その言葉のなかにその人の生が閃光のように現出する。覚悟の言葉に接して、自分の現在の生が遺書の前に引きずり出される。おまえの生はどうなのだ、おまえの死はどうなのだ、と。(カバーより) 時代、階層、そういった垣根を越えた、様々な日本人の遺書が解説を加えて収録されています。 思想のために死を自ら選んだ人。愛のために死を選ぶ人。予期せぬ事故で死を受け入れざるを得なかった人・・・。 涙がでてきます。特に、御巣鷹山の飛行機事故で残された遺書。これには涙を抑えることができません。カバーにあるように、死を覚悟して、自ら死を選ぶ場合には、多少の虚栄がまじってしまうこともある。でも、突発的な事故で目の前に死が迫っているときに殴り書きされたものっていうのは、真の、何の混じり気もない遺書なんじゃないかと思います。 だからこそ、胸に来る。自分が突如死に直面したとき、果たして家族を思う言葉を書けるだろうか?冷静に状況を分析しそれを認めることができるだろうか? 色々と考えさせられました。とてもいい本です。また読み返したい(*´ー`) === 32冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年04月12日 21時27分48秒
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