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カテゴリ:は行 男性
“容疑者Xの献身” 評価:★★★★★
ミステリー長編。 --- 梗概 ------------- 天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。(「BOOK」データベースより) ---------------------- 人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある。 (P56より)
ガリレオシリーズ第三弾です。そして、ガリレオシリーズ初の長編。また、今までのガリレオシリーズとは一線を画し、このシリーズの主眼である、物理のトリックはでてきません。 物語は、刑事の草薙・数学教師の石神・石神が懸想する靖子の三視点で進みます。 ・・・(;o;_;)o感無量でした。さすが・・・さすが!!としか言いようがありませんっ! まずミステリーとして。最後の最後で驚天動地の事実が読者を待っています。すばらしい。全て読み終えた後もう一度読み返すと、伏線がいくつもはられていたことにようやく気が付きます。 伏線は、「なんらかの伏線なんだろうな~」と、少しでも読者に思わせたらダメだと私は思ってます。伏線っていうのは、その物語の中にあっても不自然ではなく、余分でもなく、きれいにとけ込んでてナンボ。この作品はみごと!!無駄でも不自然でもなく、むしろ、登場人物のキャラクターにより一層深みを持たせるのに一役買ってるくらい。 あんまり言うとネタバレになりかねないのでここまでにしておきます(^~^;)ゞ そして、人間ドラマとして。ミステリー抜きにしてもこの作品はおもしろい。本の内容紹介を読むと、単なる恋愛+謎解きみたいに思えるが、そんなありきたりなもんじゃないです。 常識に鑑みればひどく歪んでいるけれども、純度の高い愛です。好きだ愛してるだ言うだけが愛じゃない。 石神の想いが、文字と文字の隙間から滲み出てます。常識とは懸隔するけれども、石神には石神の、一本筋の通った愛の形があるのです。 彼は、彼の思う愛の形を貫き通す。たとえそれが不道徳で、非常識でも。 あぁ~!!すんごくよすぎて、何を書いたらいいやら・・・。自分にもっと語彙や筆力があればこの感動を文字にできるのに(;-_-;) くやしい~・・・。 とにかく、とにかく素晴らしかったのです。ミステリーとしても、純愛作品としても。 胸が締め付けられるような切なさ。他にも道はあっただろうけれど、石神の愛の形を考えればこの道しかなかったと思わせる。それが、そのジレンマが胸を打つのです。 あぁ~しばらくは余韻にひたっていたい・・・(*´▽`*)本当に絶品ですので是非♪ === 80冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年08月21日 21時40分43秒
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