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カテゴリ:新書
“「おひとりさま」で幸せですか” 評価:★★★★★
「おひとりさま」を唱道する人たちは、「子供だって、最後は親を捨てる」「死ぬときは、みんな一人」なんて言いますが、本当にそうでしょうか?家庭という「居場所」があるからこそ人はどんな困難も乗り越えていける。 (「BOOK」データベースより)
人は一人では生きられない・・・そういうことに心底気づかされるようになった今日この頃。 誰にも頼ってないなんて嘯く人も、その人が歩く道路は税金で作られているんだし、売ってる食べ物だって、誰かが作ってくれたおかげで食べられる。これらも見えない支え合い。 自分の生活を振り返れば、一見一人で生きているように見えても、どこもかしこも支え合いで成り立っていることに気がつきます。
この本では、家族の素晴らしさに改めて気付かされます。 何があっても最後に自分の支えになる、帰れる場所っていうのはやはり家庭なんだと思います。 親の子への愛情というのは唯一見返りを求めない究極の愛。そこは心底安心できる場所であるはずです。 子はその安心できる場所で育ち、巣立ち、新たな家庭を築き、そこで今度は無償の愛を注ぐ親になる。 その繰り返しで人間は成り立っているんですよね。 その家族というものを軽んじ、自分の好きなように生きるのをよしとする人が増えることは、長い目で見れば、日本の、ひいては人間世界の崩壊につながるのだと思います。
「子供だって、大きくなって遠くへ行けば将来面倒みてもらえないし。それなら育てるのにお金がかかるだけ。」と言って子供を欲しがらない夫婦、いますよね。 それってこのご時勢正論に聞こえますが、そもそも子供を将来面倒みるための人という感覚で生もうとしていることがおかしいんですよね。 自分たちの今の生活レベルを維持したまま子供を生み育てようとしている。生活レベルを下げてまで子供を生みたくない。そこまでして育ててもリターンがある保証がないから。 いわゆる投資感覚ですよね。投資して返って来るなら投資するけど、そうでないならやめておこう、みたいな。 でも、子供を生み育てるって、独身時代のように自分のためだけに時間やお金を使えるわけない。そんな当たり前のことを当たり前と思えない。だから子供を生み育てることをマイナスとしかとらえられない。 こういう感覚の、見返りなしに行動できない人が増えていることが「おひとりさま」の増加の根底にあるのでは?と思います。 見返りを求めてばかりだと、結婚相手を選ぶ時も条件だけで選びがちになるし、子育ても親のエゴイスティックなものになる。子を思うようにしたいと思い、思うようにいかないと腹を立てる。 そんな環境で育った愛されない子供は、温かい家庭を思い描けず、「おひとりさま」がいいんだと思うようになる。 悪循環な気がします。
ところで、著者自身は、娘夫婦・息子夫婦・自分たち夫婦の三世帯同居をしたそうです。著者曰く、非常にうまくいったと。 ただ、これを読んで単純に子供夫婦と一緒に暮らせたら楽しいだろうな♪と思うととてつもない陥穽に落ちることになると思います。 というのも、やはり子供と言えども、結婚し新しい家庭を作ったらそれはもはや昔の子供と同じではありません。 だから、同居の際、親が昔の感覚で子供に接したりするとうまくいかない。 子供といえど節度を保ち干渉しすぎない。子供の家庭・自分たち夫婦、そういう単位でものをみられないと絶対同居はうまくいかないと思います。 お財布も絶対ごちゃまぜにしたらダメ。著者は三世帯のために購入した宅地・住宅を出資割合に応じてきっちり持分割合を決めたそうです。 これって大切。よくお金出すだけださされて二世帯住宅建てたのに子供夫婦に追い出された~なんて聞きますもんね。 子供と言えど結婚すれば子供であって子供でない。お金等々、シビアに考えないといけないこともあると思います。世帯単位でものは考えないと。 親しき仲にも礼儀あり。親は子の家庭に干渉しない。子も自分の親だからと甘えない。個々の家庭が自分のフィールドであると考えられずに、親子ごたまぜ単位で考える人はきっと同居に失敗しますね。 ほどよい距離。節度。不干渉。これらは二世帯以上の同居の必須条件なんだと思います。 ただ、世の中に二世帯同居でこじれる家庭があるのを見聞きすると、ここがうまくできてないからなんでしょうね。 ・・・とは言うものの、言うは易し行うは難し。自分を律し行動するのは難しいのでついいらぬ世話焼いたり、干渉したりしちゃうんでしょうけど(;^ω^A 散々家族論を展開してきながら、一生「おひとりさま」のような予感が大いに感じられるワタクシなのです(笑)(でも、結婚したくてもできないのは仕方なくない!?←逆ギレ(笑)) === 48冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年11月19日 02時47分21秒
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