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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:は行 男性
“赤い指” 評価:★★★☆☆
ミステリー長編。 --- 梗概 ------------- 少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。 (「BOOK」データベースより) ---------------------- 平凡な家庭など、この世にひとつもない。 外からだと平穏な一家に見えても、みんないろいろと抱えているもんだ (P145より)
加賀さんシリーズです♪ 現代が抱える問題を題材にした社会派のミステリー。 ミステリーよりも社会問題の方に比重が置かれているように思いました。 刑事と犯人、追う者と追われる者の両視点で物語は進みます。 ・・・ん~、取り上げる問題もありがちだし、ミステリとしても特に謎解き要素もなく。 東野圭吾さんとあって期待が大きかったこともあるかもしれませんが、読み終わった後なんだか肩すかしというか、「これで終わり?」という感じがしましたね^^; おもしろくないわけではないけど、特別おもしろいわけでもなく。 ちょっと無理やりじゃない?っていう感じのところもありますし、主人公の母親の気持ちがいまいちわからなかったり。あんまり書くとネタバレになるので書けませんが。 設定や人物描写に違和感を感じるところがちらほらありましたので、読後はなんだかスッキリしませんでした・・・。 ただ、加賀さんとその父親の生き方や考え方にはひどく感銘を受けました。 特に共感した加賀さんのセリフ。P149より。 暖かい家庭を作った人間は、死ぬ時もそのように送り出してもらえる。 家庭らしきものを作らなかった人間が、 最後だけそういうものを望むのは身勝手だと思わないか 以前「他人と深く関わらずにに生きるには」 という本を読んだ感想にも私は似たようなことを書いていて、本当にそう思う。孤独死という結果だけを見て問題視したり同情したりするのは何かおかしい。孤独に死んでいくにはそれなりの理由があったはずで、その人が歩んできた人生の結果なのだと思う。 それに孤独に死ぬことが何も絶対的に悪いことで悲しいことではないはずです。当人が満足し納得してたらいいじゃないかと切に思う。当人が満足なのに外野が死後「孤独死だ。かわいそうだ」なんていうのは、むしろ彼らを貶めているようにさえ感じますね。
いや~それにしてもこの主人公一家には呆れます^^;優柔不断で事なかれ主義の父。夫をないがしろにし姑を毛嫌いし息子ばかりを溺愛する馬鹿母。そんな両親の姿を見て育ったから言わずもがなな息子。 まったく何とも腹の立つ一家ですね(笑) === 63冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年10月27日 21時30分57秒
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