|
テーマ:本日の1冊(3698)
カテゴリ:は行 男性
“私の幸福論” 評価:★★★★☆
評論集。 --- 梗概 ------------- 人間は不平等だ。悪いといおうが、いけないといおうが、事実だ。しかし現実がどうであろうとこの世に生まれた以上、あなたは幸福にならねば...。誤まった幸福観を正し、人間の本当の生き方とは何か、幸福とは何かを、平易な言葉で説いた刺激的な書。(「BOOK」データベースより) ---------------------- 今年は年末・年始の休みが5日です・・・。3日は本来休日ですが、おぃらは出勤に・・・(´゚д゚`)これじゃ、正月太りしてる暇もないっ!!(笑)(そりゃ結構なことだゎね(笑))
・・・すばらしいです。言いにくいこと、でも現実なこと。それをずばっと理路整然と述べておられて、頭がつんと殴られたような衝撃の書です。 彼こそ評論家と言って間違いない人。最近の自称評論家たちは、大衆迎合主義の権化ばかりですが、福田さんは、不条理も現実だから受け入れろと一刀両断。受け入れたうえでみつかる幸福があるという。 理想主義ばかりの平等や幸福論なんて糞くらえっって感じです(笑) すんごく溜飲が下がるすばらしい文章がありました。P21より。 私の原理は大変簡単なもので、醜く生れたものが美人同様のあつかいを世間に望んではいけないということです。貧乏人に生れたものが金持ちのように大事にされることを望んではいけないということです。不具者が健康人のように扱われぬからといって、世間を恨んではならぬということです。 納得納得。本当にそうですよね。容姿があまりよくない女性が、「美人は得だ」と憤っている。それはなぜか?つきつめれば、自分も美人と同様の扱いを受けたいと考えているからだと福田さんは分析している。 だから、美人と同じ扱いを受けようなどと思わなければ、そもそも「美人は得だ」などといって美人をねたむこともないだろうと。 なんともすばらしい。 他にも、炯眼鋭いロジックがたくさんありました。紹介しだしたらきりがないので(笑)最後にひとつだけ。P56より。 自分の過去を否定し、それをまちがいだといって憚らぬのは、結局、自分の出発点を失うことになり、未来の自分をも葬り去ることになります。宿命を認めないことは、自由を棄てることになります。 もう何も言うまい(笑) はぁ~、これでここ数年買おうか買うまいか悩みつつ買ってなかった『福田恆存評論集』買うことに決めました(b'3`*) === 96冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年12月15日 20時47分08秒
[は行 男性] カテゴリの最新記事
|