355426 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

本の足跡

本の足跡

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

日記/記事の投稿

カテゴリ

お気に入りブログ

青空と逃げる 辻村深… New! ホンヤガヤマダさん

読書日記@はっさん タカハシ@さん
Syoroomの読書部屋 Syo1961さん
ギミアブレイク imoutoatukoさん
すみれさくメモ オレンジ37さん

ニューストピックス

2011年02月09日
XML
テーマ:本日の1冊(3696)
カテゴリ:新書

 中国の核戦力に日本は屈服する 今こそ日本人に必要な核抑止力 

評価:★★★★☆

 

--- 梗概 -------------

「勢力圏拡大」を国家目標にしている中国。2020年代、その軍事費は世界一になる。片やアメリカは財政破綻に瀕し、東アジアから後退する。著者が米高官らと激論して得た本音は「アメリカを核攻撃できる中国とは戦争しない。日本に核の傘はない。日本は中国の勢力圏に吸収される。しかし日本に核武装させたくない」であった。そもそも核を持たぬ国は核武装国に服するしかないし、発言権もないのが国際的常識なのだ。「自らを守り戦争を起こさせぬために核を保有する」─これは21世紀の日本人に課せられた道徳的義務でもある、と著者は説く。(「BOOK」データベースより)

-----------------------

国家にとって、結局、頼りになるのは自国だけだ。国際法や同盟関係が、国家を救ってくれるわけではない。国際社会とは、『神は自ら助くものを助く』という自助努力社会だ。アメリカにとって同盟関係とは、しょせん、『短期的な便宜上の結婚』にすぎず、今日の同盟国が明日の敵国になる、ということは、よくあることだ。

(P31より)

 

日本は、ロシア・中国・北朝鮮・アメリカ、と核保有国に囲まれている。そのことに危機感を持つべきなのは至極当然のことである。

日本が他国に侵略されることなく独立国として在り続けるにはどうすればよいのか?結論から言えば、日本は日米同盟を維持しつつも(現在と同じ形という意味では決してない)、核を保有すべきである。核保有国への抑止力となりうるのは、核でしかありえないからだ。

 

露・中・朝・米の中でいま最も警戒すべきは中国であることは自明であろう。今後、世界の覇権の構図は、米対中である。現在はなんとかアメリカが優位にあるが、中国がアメリカを凌ぐ日はそう遠くはない。

この本によれば、2020年頃までには、中国の軍事費はアメリカを抜く。しかし、この時点ではまだかろうじてアメリカが優位である。なぜならば、軍事技術においては中国はまだアメリカに追いつけないであろうと予測されているからだ。

しかし、2030年頃には、中国は軍事費はもとより、軍事技術においてもアメリカを凌ぐことになる。

そうなったとき、ようやく中国は隠していた牙をむく。核で恫喝し、台湾を併合して、さらに沖縄から日本全土をのみこむ。そしてアジア最大の覇権国家となるのである。そうならないために、果たしてアメリカは中国と核戦争をしてまで台湾・日本を守るだろうか?答えはノー。

そうならないためにも、日本は核を保有すべきだと著者は主張する。

 

日本を中国から守るための要となるのは台湾である。台湾が中国に併合されることは即沖縄、ゆくゆくは日本全土を併合されることを意味するからだ。だからこそ、台湾を中国から守るためにどこよりも奔走すべきは日本なのである。アメリカなんぞは当てにはならない。現に、中国の恫喝に屈し、アメリカは、台湾へ武器を売らない、仮に台中間に戦争が起こっても台湾を支持しないとしている。

もちろんアメリカは自国の利益のために動いており、それは当然のことだから日本がアメリカを責めるのはお門違い。

日本がすべきはアメリカを非難するのでなく、自国日本を守るためには何としてでも台湾を中国の併合から死守することである。

そのためにもやはり核保有は不可避の選択であることは明白だ。

 

この本では、中国の狡猾な情報操作、外交手腕。アメリカの思惑。等々についてかなり緻密な分析がされている。さらに、日本が自国を守るためにどうすべきか具体的な対策も示されており非常にためになる。日本の官僚・政治家たちに是非一読ならず二読三読させたいほどだ。

 

私は、日米同盟を反故にし、アメリカを敵に回すのは得策ではないと思う。日米同盟は維持しつつも日本が核を保有するというのがベストという結論は著者と軌を一にする。

ただ、日本にとって最もよい核の保有の仕方については、正直不勉強の致すところでわからない。著者の主張する方法がベストであるかどうかは判断のしようがない。浅識を恥じるばかりであるけれども。

 

とりあえず、今後のためにざっと今ある知識をまとめてみる。(間違いがあれば是非ご教示ください。)

日本が弾道ミサイル攻撃に対抗するための武器として所有するのは、MDシステム(ミサイル防衛システム)である。イージス艦から迎撃するのがSM3。地上から迎撃するのがPAC3。アメリカから購入。

しかし、実際にはMDシステムが弾道ミサイルを迎撃できる可能性はほぼゼロ。仮に、何月何日何時にどの方向へ何発打ちます、とご丁寧に教えてもらえれば、迎撃可能性はあるものの、そんなものは全くもって無意味な話で、実戦で使うにはお粗末な代物である。

また、MDシステムが機能するための要である軍事衛星を破壊することに中国は成功しているため、もはやMDシステムの使用さえも敵国に封じられる公算が大きい。

(MDシステムは実際には機能しないにもかかわらず、とてつもなく高額で、買い替えも頻繁に必要。ではなぜそれをアメリカは日本に売るのか?著者は、これはアメリカが日本に核を保有させずに自衛の体裁を保たせるためであると分析。ここらの詳しい解説は割愛。本書を一読ください。)

MDシステムは、導入に一兆円ほどかかるが、実用性はゼロである。また、核保有国には抑止力にもならない。

 

では、日本が覇権国家から自国を防衛するために最も適した武器は何か?核である。では、どんな核がいいのか?

大陸間弾道ミサイルICBM、潜水艦発射弾道ミサイルSLBM、巡航核ミサイル。

これらの違いを大まかにいうと、ICBM・SLBMは射程距離が長く、自国またはその周辺の安全な場所から確実に敵国を攻撃できる。それゆえに主に先制攻撃に使われる。

対して、巡航核ミサイルは主に報復核攻撃に使われる。

著者は、日本は巡航核ミサイルを保有するべきだと言っている。なぜならば、仮に日本が攻撃された場合、即座に敵国に報復するには、報復攻撃に適した巡航核ミサイルがベストであるからだ。(日本は他国を侵略・先制攻撃することはないため、先制攻撃に使用するICBM・SLBMは不要である。)また、巡航ミサイルにかかる費用は一基一億円ほどであり、MDシステムの一兆円と比較しても、その費用対効果は歴然である。というのが著者の主張である。

 

ふむ。確かにそうだなぁと思う。

でも、色々と分からないことがある。もし抑止力を重視するならば、ICBM・SLBMを保有した方が効果は高いのではないか?(相互確証破壊)

これだとさすがに世界からの反発が不可避だからなのか?アメリカが射程圏内に入ってしまうからなのか?

まぁ確かに、先制攻撃されたらこっちも核で報復するぞ!!っていうだけでも抑止力になるだろうけれど・・・。

 

あと、もし日本が核を持たないならば、中国が日本にニュークリア・ブラックメール(核による脅迫)をつきつけたとき、アメリカは中国と核戦争をしてまで日本を救わない。ということだが、それは否定しないけれども、アメリカは果たして中国がアジアを征服するのをただ指をくわえてみているだけだろうか?と思う。つまり、台湾・日本が中国にのみこまれて中国がアジアで台頭することはアメリカにとってとてつもなく不都合なことで。

もしそうなったら、中国はアジアだけでなく世界を牛耳ることになるだろうに、果たしてアメリカが何もせずにいるもんだろか?と思うのです。

それとも、中国の提案通り、アメリカと中国が太平洋を東西で分割管理する(これをジョークと一笑に付す状況にあらず、ですよ。)つもりなのか?

 

・・・とまぁ色々わからないことが多いもので、勉強しないとだめですね。私みたいな不勉強な人間も、日本をダメにしている一人なのでしょう・・・多分、日々勉強してらっしゃる憂国の士からみれば、私の疑問は一笑に付されるか苦笑されるか呆れられるもんなんでしょうねぇ・・・勉強します・・・。

=== 19冊目 読了 ===






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年02月09日 11時29分13秒
[新書] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X