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本の足跡

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2011年10月03日
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テーマ:本日の1冊(3696)
カテゴリ:は行 男性

 殺人の門

評価:★★★★☆

 

長編。

--- 梗概 -------------

「倉持修を殺そう」と思ったのはいつからだろう。悪魔の如きあの男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。そして数多くの人間が不幸になった。あいつだけは生かしておいてはならない。でも、私には殺すことができないのだ。殺人者になるために、私に欠けているものはいったい何なのだろうか?人が人を殺すという行為は如何なることか。直木賞作家が描く、「憎悪」と「殺意」の一大叙事詩。(「BOOK」データベースより)

-----------------------

人のことは外側からじゃわかんないよ。この世じゃみんなが騙し合いをしてるんだ

(P597より)

 

読後すぐ思ったのは、モーパッサンの『女の一生』みたいだなということ。

これは、言うなれば、『男の一生』。

主人公は確かにどうしようもない不幸に見舞われます。けれど、それは決して軌道修正できないようなものではなかった。

主人公の強い意志や信念さえあれば、彼の人生は全く違ったものになったはず。

けれど、強くばかりいられないのも人間だったりするんですけどね。

主人公には何度かターニングポイントがありました。でも、最後の最後でいつも(後から振り返ると)悪い方の道ばかりを選び、結局は悲劇的な最期を迎えてしまいます。

そこで踏みとどまれば!!そこで強い意志を持っていれば!!等々思わずにはいられないけれども、流されてしまう主人公の弱さもよくわかる。

難しいですね人生って。強くありたいと、あらねばならぬと思っちゃいても、弱くつい周囲に流されてしまうこともある。

非常に感慨深い一冊でした。しんみりしちゃいますね。うん。

=== 94冊目 読了 ===






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最終更新日  2011年10月03日 18時05分02秒
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